レポートのニュース引用の書き方|媒体別出典表記と参考文献ガイド

最終更新日:2026年7月19日

この記事でわかること

  • レポートでニュースを引用する時の基本ルールと著作権法上の位置づけ
  • 新聞紙面・電子版・データベース経由の3形式それぞれの引用書式
  • ネットニュース・Web記事・TV・ラジオ・SNS発ニュースの引用書式
  • BBC・NYTなど海外ニュースの引用書式と日本語表記のルール
  • ニュースの信頼度を見極めるチェックリスト
  • ニュース引用のNG例5パターンと、分野別のニュース引用作法

執筆:レポートビズ編集部
2021年5月の開業以来、累計6,000件超のレポート・卒論作成の依頼に対応してきた編集チームが、ニュースの引用ルールを体系的に整理している。ニュースは時事的テーマのレポートで欠かせない素材だが、媒体ごとに書式が異なり、ネット記事は削除・URL変更のリスクもある。業界内部視点で、時事レポートの信頼性を担保する引用方法を公平にまとめた実践ガイド。

「レポート ニュース 引用」——このキーワードを検索する人の多くは、「新聞記事やネットニュースをレポートに使いたいが書き方が分からない」「参考文献欄にどう書けばいいか迷う」という状況にある大学生である。

結論から言えば、ニュースの引用は媒体(新聞紙面・電子版・ネット・TV・ラジオ・SNS)ごとに書式が異なる。共通するのは「著者・記事タイトル・媒体名・日付・入手先」の5要素を必ず含めることである。

この記事では、ニュース引用の基本ルール・媒体別の書式・海外ニュース・信頼度の見極め方・NG例・分野別の作法まで、業界内部の視点で公平に整理する。

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レポートにニュースを引用する時の基本ルール

結論:ニュースの引用は、著作権法第32条の要件を満たしつつ、媒体ごとの書式に従って出典を明示する必要がある。

まず、ニュース引用の基本的な考え方を整理する。ニュース記事は文章の一種として扱われるため、書籍・論文の引用と共通するルールに加え、ニュース特有の注意点がある。

「ニュース」の定義と種類

この記事における「ニュース」とは、報道機関が発信する時事的な情報を広く指す。

ニュースの主な媒体分類は以下の通りである。それぞれ引用書式が異なるため、自分が使う媒体を明確にすることが第一歩となる。

媒体分類具体例信頼度
新聞(紙媒体)朝日・毎日・読売・日経・産経
新聞(電子版)朝日新聞デジタル、日経電子版
通信社共同通信・時事通信
放送局サイトNHKニュース、TBSニュース
ネットニュースYahoo!ニュース、Googleニュース中(元記事に遡ることが望ましい)
雑誌ニュース週刊誌、月刊誌、経済誌媒体による
SNS発の情報公式アカウントの投稿公式アカウント以外は要注意

ニュース引用の3原則

ニュース引用には「一次情報の優先」「正確な引用」「出典明示」の3原則がある。

それぞれの原則の詳細は以下の通りである。特に一次情報の優先は、ニュースの信頼性を担保する上で重要となる。

  • 一次情報の優先:まとめサイトやYahoo!ニュース経由ではなく、可能な限り元の報道機関の記事を引用する
  • 正確な引用:意味を歪めない範囲での要約は可だが、直接引用の場合は原文のまま引用する
  • 出典明示:媒体名・日付・記事タイトルなど媒体別の必要情報を明示する

著作権法上の位置づけ

ニュース記事は著作物であり、引用の5要件(主従関係・明瞭区別・必然性・出典明示・改変禁止)を守る必要がある。

ニュース記事はジャーナリストや記者が執筆した著作物であり、無断転載はできない。ただし、引用の要件を満たせば適法に使用できる。要件の詳細はレポートでの写真引用の書き方を参照してほしい。

なお、「事実の伝達にすぎない雑報および時事の報道」(著作権法第10条第2項)は著作物として保護されない。ただし、記者の視点・分析を含む記事は著作物として保護される。境界は曖昧なため、実務上はすべての報道を著作物として扱うのが安全である。

ニュースの媒体別:引用に使える主要ソース

結論:大学レポートで使える主要なニュースソースは、全国紙・通信社・公共放送・専門メディアの4系統に整理できる。

ニュースソースの選定は、レポートの信頼性に直結する。学術的に信頼できるソースを整理する。

全国紙(5紙)

全国紙は日本の報道の中核であり、学術レポートで最も信頼できるソースとなる。

主要な全国紙5紙は以下の通りである。政治的立場が異なるため、複数の紙面を横断的に参照することで、より客観的な論述が可能となる。

  • 朝日新聞:リベラル寄りの論調、社会問題への深掘り
  • 毎日新聞:中道リベラル、社会・国際報道に強み
  • 読売新聞:保守寄り、発行部数最大
  • 日本経済新聞:経済・ビジネス報道に特化
  • 産経新聞:保守寄りの論調

通信社

通信社の配信記事は、多くの新聞・放送局の元ネタになる一次情報である。

日本の主要通信社は以下の通りである。事実速報に強く、事件・事故・災害の一次情報として信頼できる。

  • 共同通信:全国紙・地方紙に配信、社会・政治報道の一次情報
  • 時事通信:官公庁・企業への詳細な報道、経済ニュースに強み

公共放送・放送局

公共放送(NHK)は政治的中立性が高く、災害・国際報道の信頼性が高い。

放送局系のニュースソースは以下の通りである。放送内容は同時に公式サイトに記事化されているため、記事版を引用するのが標準的である。

  • NHKニュース:政治的中立性、災害・国際報道
  • 民放各社(TBS・フジテレビ・テレビ朝日等):独自取材の報道番組
  • BS放送(BS-TBS「報道1930」など):専門性の高い解説番組

専門メディア・地方紙

専門メディアと地方紙は、特定分野・地域の深掘り情報源として有用である。

用途別の専門メディア・地方紙の例は以下の通りである。分野別のレポートでは、これらの専門メディアを参照することで、内容の専門性が上がる。

  • 経済:週刊東洋経済、週刊ダイヤモンド、日経ビジネス
  • 国際:週刊エコノミスト、Newsweek日本版
  • 科学:日経サイエンス、Nature Japan
  • 地方問題:各都道府県の地方紙(北海道新聞、河北新報、中日新聞、西日本新聞など)

新聞記事の引用書式(紙媒体・電子版・データベース)

結論:新聞記事の引用は、紙媒体・電子版・データベース経由の3形式それぞれで書式が異なる。

同じ新聞記事でも、どの形式で入手したかによって参考文献の書式が変わる。以下、3形式それぞれの標準的な書式を整理する。

紙媒体の新聞記事の書式

紙媒体の新聞は「新聞名・発行日・朝夕刊の別・ページ・段」を明示する。

紙媒体の書式例は以下の通りである。記者名が明記されている記事は記者名も含める。

【本文中の引用】
朝日新聞(2026年3月15日朝刊)は、日銀の金融政策決定会合について、追加利上げの検討が本格化していると報じた。

【参考文献欄】
「日銀、追加利上げを検討 3月会合で本格議論」『朝日新聞』2026年3月15日朝刊、1面。

電子版(有料会員記事)の書式

電子版の記事は「新聞名・記事タイトル・URL・アクセス日」を明示する。

朝日新聞デジタル、日経電子版、読売新聞オンラインなどの記事は、以下の形式で引用する。有料会員限定記事の場合は、URLがあってもアクセスに認証が必要なため、その旨を注記するとより丁寧である。

【参考文献欄】
田中一郎「日銀、追加利上げを検討 3月会合で本格議論」『朝日新聞デジタル』2026年3月15日、
https://digital.asahi.com/articles/xxxxx.html
(2026年5月14日閲覧、有料会員限定記事)

新聞データベース経由の書式

データベース(聞蔵・日経テレコン等)経由の記事は、データベース名も出典に明示する。

大学図書館経由でアクセスできる新聞記事データベースは、レポートの信頼できる情報源である。代表的なデータベースは以下の通りである。

  • 聞蔵IIビジュアル / 朝日新聞クロスサーチ:朝日新聞
  • ヨミダス歴史館:読売新聞
  • 毎索:毎日新聞
  • 日経テレコン:日本経済新聞

データベース経由の書式例は以下の通りである。データベース名と大学図書館からアクセスした旨を明示すると、より学術的である。

【参考文献欄】
田中一郎「日銀、追加利上げを検討 3月会合で本格議論」『朝日新聞』2026年3月15日朝刊、1面、
朝日新聞クロスサーチ(2026年5月14日閲覧)。

ネットニュース・Web記事の引用書式

結論:ネットニュース・Web記事は「著者・記事タイトル・サイト名・掲載日・URL・アクセス日」を明示し、削除リスクへの対策も講じる。

ネットニュースは検索でアクセスしやすい反面、記事削除・URL変更のリスクがある。学術レポートで使う際は、以下の書式と対策を意識したい。

ネットニュースの基本書式

ネットニュース記事は、URLとアクセス日の記載が必須である。

【参考文献欄】
田中一郎「日銀、追加利上げを検討 3月会合で本格議論」NHKニュース、2026年3月15日、
https://www3.nhk.or.jp/news/xxxxx.html
(2026年5月14日閲覧)

記事削除・URL変更への対策

ネットニュース記事は削除される可能性があるため、引用時に画面キャプチャを保管しておくのが賢明である。

実際の対策は以下の通りである。特にレポート提出後に教員から確認を求められる場合に備えて、証拠を残しておきたい。

  • 引用時にスクリーンショット(PDF保存)を取り、手元に保管する
  • Wayback Machine(https://web.archive.org)で保存されたバージョンのURLを引用する
  • アクセス日を明記することで、「その時点では確認できた」ことを担保する
  • 複数の媒体で同内容を確認できる場合、両方引用する

Yahoo!ニュース・Googleニュース経由の場合

Yahoo!ニュース・Googleニュースは配信元の記事を集約するプラットフォームであり、可能な限り元の報道機関の記事に遡って引用する。

Yahoo!ニュースの記事下部には「配信元」が明記されている(共同通信、朝日新聞、TBS等)。元の記事に遡ることで、より一次情報に近い引用となる。元記事に遡れない場合は、以下の形式でYahoo!ニュースを出典とする。

【参考文献欄】
「日銀、追加利上げを検討 3月会合で本格議論」共同通信/Yahoo!ニュース、2026年3月15日、
https://news.yahoo.co.jp/articles/xxxxx
(2026年5月14日閲覧)

個人ブログ・ニュースアグリゲーター

個人ブログ・まとめサイト・ニュースアグリゲーターの記事は、学術レポートの引用には基本的に避ける。

個人ブログや「NAVERまとめ」的なアグリゲーターは、情報の正確性・独自性の検証が難しい。学術レポートでは、以下のような信頼できるソースを優先する。

  • 報道機関の公式サイト
  • 官公庁の公式発表
  • 大学・研究機関のWebサイト
  • 学術データベース(J-STAGE、CiNii等)

TV・ラジオ・SNS発ニュースの引用書式

結論:TV・ラジオ・SNS発ニュースは、それぞれ独自の書式があり、可能な限り書き起こしや公式アカウントの投稿を出典とする。

紙媒体やWeb以外のニュースソースも、レポートで引用する場合がある。それぞれの媒体別の書式を整理する。

TVニュース番組の引用書式

TVニュースは「番組名・放送局・放送日時・報道内容」を明示する。

TVニュースの引用書式は以下の通りである。可能な限り、放送内容と同じ内容の記事版(公式サイトの記事)を代替引用するのが実務的である。

【参考文献欄】
「日銀の金融政策決定会合について特集」『NHKニュース7』NHK総合、2026年3月15日19:00放送。

ラジオニュースの引用書式

ラジオニュースは「番組名・放送局・放送日時・発言者」を明示する。

【参考文献欄】
「経済学者A氏インタビュー」『ニュース深堀り』TBSラジオ、2026年3月20日8:15放送。

SNS発ニュース(公式アカウント)の引用書式

SNSからのニュース引用は、報道機関や公式アカウントの投稿に限定するのが安全である。

官公庁・大学・企業等の公式アカウントの投稿は、一次情報として信頼性が高い。個人アカウントの投稿は、たとえ有名人であっても学術レポートでの引用は避ける。書式例は以下の通りである。

【参考文献欄】
首相官邸(@kantei)「令和8年度予算案の閣議決定について」X(旧Twitter)、2026年3月15日投稿、
https://x.com/kantei/status/xxxxx
(2026年5月14日閲覧)

YouTube・ポッドキャストのニュース番組

YouTube・ポッドキャストで配信されているニュース番組は、公式チャンネルのものに限定して引用する。

NHK公式チャンネルや報道機関の公式YouTubeチャンネル、あるいは大手新聞社のポッドキャストなど、公式運営のものに限定する。書式例は以下の通りである。

【参考文献欄】
NHK「令和8年度予算 徹底解説」YouTube、2026年3月20日公開、
https://www.youtube.com/watch?v=xxxxx
(2026年5月14日閲覧)

海外ニュースの引用書式

結論:海外ニュース(BBC・NYT・Reuters等)の引用は、日本語表記の作法を統一しつつ、原文の書式に近い形で出典を明示する。

国際関係・経済・国際問題を扱うレポートでは、海外ニュースの引用が必要となる。海外ニュース特有の書式作法を整理する。

主要な海外ニュースソース

学術レポートで信頼できる海外ニュースソースは、大手の英字メディアに集約される。

  • 英国:BBC(公共放送)、Financial Times、The Guardian、The Economist
  • 米国:The New York Times、The Wall Street Journal、The Washington Post、CNN
  • 通信社:Reuters(英国系)、Associated Press(米国系)、Agence France-Presse(仏国系)
  • アジア:South China Morning Post(香港)、The Straits Times(シンガポール)

英語ニュース記事の引用書式

英語ニュース記事は「著者名・記事タイトル・媒体名・掲載日・URL・アクセス日」を英語表記または日英併記で示す。

レポート本文が日本語の場合、以下のいずれかの形式が一般的である。指導教員から特に指定がない場合、日英併記の方が読み手に親切である。

【日英併記の書式例】
Smith, John「日本の金融政策の転換点」(“Turning Point for Japan's Monetary Policy”), The New York Times, 2026年3月15日、
https://www.nytimes.com/xxxxx (2026年5月14日閲覧).

【英語表記の書式例】
Smith, John. "Turning Point for Japan's Monetary Policy." The New York Times, March 15, 2026,
https://www.nytimes.com/xxxxx (accessed May 14, 2026).

海外ニュース引用の注意点

海外ニュースを引用する際は、日本語訳の正確性と、原文表記の保持に注意する。

海外ニュースを引用する際の実務的な注意点は以下の通りである。特に翻訳の際は、原文の意図を正確に反映することが重要となる。

  • 直接引用の場合、原文と日本語訳の両方を示す(「〜」(“〜”)の形式)
  • 訳文は「筆者訳」と明示する(または公式訳がある場合はそれを示す)
  • 固有名詞(人名・地名・組織名)は初出時に原語を併記する
  • 日付表記は日本式(2026年3月15日)と欧米式(March 15, 2026)を統一する

参考文献の書き方全般については、レポートの参考文献の書き方もあわせて参照してほしい。

ニュースの信頼度の見極め方

結論:ニュースの信頼度は「発信元」「一次情報性」「複数ソース確認」「日付」「筆者情報」の5点で判断できる。

ネット上には信頼度の低いニュースも多数存在する。学術レポートの信頼性を担保するため、引用前に信頼度を見極める習慣を持ちたい。

信頼度チェックリスト5項目

以下の5項目をチェックすれば、そのニュースが引用に値するかを短時間で判断できる。

  • 発信元:報道機関・官公庁など、公式性のあるソースか
  • 一次情報性:元の情報源に近いか(まとめサイトではないか)
  • 複数ソース確認:同じ内容を他の信頼できる媒体も報じているか
  • 日付:記事の日付が明示され、古すぎないか
  • 筆者情報:記者名・筆者情報が明示されているか(匿名の記事は信頼度が下がる)

避けるべきニュースソースの特徴

以下の特徴を持つソースは、学術レポートの引用には避けるべきである。

  • 運営主体が不明のサイト(会社概要・運営者情報が見当たらない)
  • 広告収入目的の煽り記事が多いサイト
  • 「独占情報」「〜と言われている」など根拠不明の表現が多いサイト
  • 個人ブログや個人のnote等(専門家の場合を除く)
  • 陰謀論・疑似科学を扱うサイト
  • SNSでの匿名アカウントの投稿

同じ事象を複数のソースで確認する

同じニュースを複数の異なる報道機関が報じている場合、その事実性は高いと判断できる。

例えば、政治的な出来事について朝日・読売・産経・NHKすべてが同内容を報じていれば、事実性は極めて高い。逆に、1社だけが独自に報じている場合、正確性を再確認する必要がある。

ニュース引用のNG例5パターン

結論:ニュース引用のNG例は「出典不明」「まとめサイト経由」「文脈無視の切り抜き」「日付欠落」「1社偏重」の5パターンである。

累計6,000件超のレポート作成に関わってきた編集チームの経験から、ニュース引用でありがちな問題を5つ整理する。

NG例1:出典不明

「あるニュースによれば〜」「新聞では〜と言われている」といった曖昧な引用は、学術レポートでは不適切である。

ニュースを引用する場合、必ず「どの媒体の・いつの・どの記事か」を特定できる形で示す必要がある。曖昧な引用は、根拠のない主張と同じ扱いになる。

NG例2:まとめサイト経由の引用

「NAVERまとめ」的なアグリゲーターや個人ブログを一次情報として引用するのは避ける。

まとめサイトは複数のニュースを再編集したものであり、加工・改変されている可能性がある。必ず元の報道機関に遡って引用する。

NG例3:文脈無視の切り抜き

ニュース記事から一部だけを切り抜いて、元の記事とは異なる意味で使うのは、意図的な改変にあたる。

例えば、「日銀は追加利上げを検討している。ただし専門家からは慎重論も多い」という記事から、前半部分だけを引用して「日銀は追加利上げを決定した」かのように使うのは、記事の趣旨を歪める行為である。

引用する際は、記事全体の趣旨を反映するよう、必要な範囲を過不足なく引用したい。

NG例4:日付の欠落

ニュースは時事的情報であり、いつのニュースかを明示しないと信頼性が担保できない。

5年前のニュースと1週間前のニュースでは、レポートの論述への影響が大きく異なる。特に経済・政治・国際情勢は日々変わるため、日付の明示は必須である。

NG例5:1社偏重

1つの報道機関の記事だけに基づいて論述すると、その媒体の論調バイアスがレポートに反映されてしまう。

政治・外交・社会問題では、各媒体で論調が異なることが多い。1社の記事だけを根拠に断定的な主張をすると、偏った論述となる。可能な限り複数の媒体を横断的に参照し、事実と評価を切り分けたい。

分野別のニュース引用作法

結論:政治・経済・社会・国際・スポーツ・災害の分野別に、ニュース引用の作法とおすすめソースがある。

ニュースの分野ごとに、信頼できるソースと引用時の注意点が異なる。主要な分野別に整理する。

政治ニュース

政治ニュースは各媒体で論調が大きく異なるため、複数媒体の横断参照が必須である。

政治問題を扱う際は、以下の3つを組み合わせるのが標準的である。異なる立場の媒体を参照することで、バランスの取れた論述が可能になる。

  • リベラル寄り(朝日新聞・毎日新聞)
  • 保守寄り(読売新聞・産経新聞)
  • 中立(NHKニュース・共同通信)

経済ニュース

経済ニュースは、日経新聞・専門経済誌・海外経済メディアを組み合わせるのが有効である。

経済分野で信頼できる主要ソースは以下の通りである。

  • 国内経済:日本経済新聞、日経ビジネス、週刊東洋経済、週刊ダイヤモンド
  • 海外経済:Financial Times、The Wall Street Journal、The Economist
  • 統計・データ:各省庁の公式発表(内閣府、経済産業省等)

社会・国際・スポーツ・災害ニュース

分野別に、特化した信頼できるソースを使い分けるのが実務的である。

分野推奨ソース
社会問題各紙社会面、Newsweek日本版、雑誌AERA
国際情勢NHK国際部、BBC、Reuters、外務省公式発表
スポーツ各紙スポーツ面、専門誌(Number等)、各競技団体公式サイト
災害・防災NHK災害情報、気象庁、内閣府防災情報

レポートのニュース引用に関するよくある質問(FAQ)

レポートのニュース引用に関して、多くの相談者から寄せられる質問をまとめた。

Q1. 本文中で新聞名と日付を書けば、参考文献欄への記載は省略できるか?

本文中で言及した場合も、参考文献欄への記載は省略しないのが原則である。

本文中の「〇〇新聞2026年3月15日によれば〜」は文中言及であり、参考文献欄の詳細情報とは別物である。参考文献欄には、記事タイトル・ページ・朝夕刊等の詳細を含めた完全な形式で記載する。両方を併記するのが学術文書の標準的な作法である。

Q2. ネットニュースは何日以内のものを引用すべきか?

時事的な論点なら1年以内、歴史的な記述の裏付けなら年数は問わない。

「現在の日銀の金融政策」を論じるなら直近1〜3ヶ月の記事、「1990年代のバブル崩壊」を論じるなら当時の記事、といった具合に、論述の内容に合った日付の記事を選ぶ。「最新の情報」を示す場合は、可能な限り新しい記事が望ましい。

Q3. 新聞記事のURL全部を書くと長すぎるが省略してもよいか?

URLは省略せず、そのまま完全な形で記載するのが原則である。

URLは記事の特定に必要な情報である。長くて見づらい場合、参考文献欄で改行して1行に収めるのが実務的な対応となる。省略や短縮URL化は避けたい。

Q4. 「ニュース速報」レベルの短い記事も引用できるか?

速報記事も引用可能だが、後日の詳報記事の方が引用ソースとしては望ましい。

速報は情報が不完全な場合が多く、後日修正されることもある。同じ事象について詳細な分析記事が出ている場合、そちらを引用する方が学術的である。

Q5. YouTubeの個人ニュース解説チャンネルは引用できるか?

個人が運営するニュース解説チャンネルは、学術レポートの引用には基本的に不向きである。

専門性の高い有識者が公式運営するチャンネルは例外だが、それでも一次情報の元記事や論文に遡って引用する方が学術的である。動画コンテンツを引用する場合は、公式報道機関のチャンネルに限定する。

Q6. 有料会員限定記事は引用できるか?

有料会員限定記事も引用可能だが、URLと共に「有料会員限定記事」と注記する。

読み手(教員)が同じ記事を確認したい場合の情報として、有料会員限定である旨を明記するのが親切である。教員が該当メディアの会員でない場合、大学図書館経由(データベース経由)でアクセスできる旨を追記するとより丁寧である。

Q7. ニュース記事を直接引用する場合、どのくらいの分量まで許されるか?

直接引用は必要最小限に留め、記事全体の要約は自分の言葉で行うのが原則である。

直接引用は1〜3文程度に留め、記事の要点は間接引用(自分の言葉での要約)にする。長文の直接引用は、引用の「主従関係」を損なう可能性がある。詳細はレポートの参考文献の書き方を参照してほしい。

まとめ|ニュース引用でレポートの説得力を上げる

レポートへのニュース引用は、時事的テーマの論述に説得力を与える有効な手段である。ただし、媒体ごとに書式が異なり、ネット記事は削除リスクもある。正しい引用ルールを押さえれば、レポート全体の学術的信頼性が上がる。

この記事の要点を再掲する。

  • ニュース引用の3原則は「一次情報の優先」「正確な引用」「出典明示」
  • 新聞記事は紙媒体・電子版・データベース経由の3形式で書式が異なる
  • ネットニュースは削除・URL変更のリスクがあり、Wayback Machine等での対策が有効
  • TV・ラジオ・SNS・YouTubeそれぞれに固有の引用書式がある
  • 海外ニュースは日英併記または英語表記で、原文表記の保持に注意
  • ニュースの信頼度は5項目のチェックリストで判断する
  • NG例5パターン(出典不明・まとめサイト経由・切り抜き・日付欠落・1社偏重)は避ける
  • 分野別(政治・経済・社会・国際・スポーツ・災害)に信頼できるソースを使い分ける

より詳細な情報は、レポートの参考文献の書き方レポートでの写真引用の書き方レポートの書き方完全ガイドレポートのWordでの書き方もあわせて参照してほしい。

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