「卒論を書けと言われたが、そもそも何を書けばいいのか思いつかない」「先輩たちはどんなテーマで書いていたのか具体例を知りたい」「自分の関心を卒論のテーマに変える方法が分からない」——卒論のテーマが決まらないと、着手すらできない。上位競合には抽象的な「書き方」記事は多いが、分野横断で具体的なテーマ例を50個以上提示し、発想パターンから絞り込みまで統合したガイドは業界に少ない。
本記事では、累計6,000件超の卒業論文・レポート添削を手がけてきたレポートビズ編集部の視点から、卒論に書くべきテーマ50例(5分野×10テーマ)、テーマ発想の5パターン、身近な関心をテーマに変える3ステップ、書くべきテーマの3条件、書きやすいテーマの共通点5選、書きにくいテーマ5パターン、テーマ絞り込みの3軸マトリクス、テーマ発想の具体例5シーン、テーマ選定チェックリスト10項目、迷った時の決めうち戦略までを体系的に整理する。この記事を読み終える頃には、自分の関心とテーマを繋げる具体的なアイデアが得られる。
本記事は「テーマの具体例集」に特化した実務ガイドとして書かれている。「卒論とは何を書く文書か」という本質論とは異なり、具体的なテーマ候補と発想パターンを大量に提示することで、テーマ発想の悩みを直接解消することを目的としている。「書き方の理論より、まず具体例が欲しい」という学生に最適な内容である。50例のテーマを眺めるだけでも、自分の関心と近いものが見つかり、そこから独自のテーマを発展させる手がかりが得られる。
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卒論に何を書く|結論と全体像
結論から述べる。卒論のテーマは「あなた自身の関心+学問分野の理論枠組み+実行可能な調査方法」の3要素で決まる。関心だけでは学術性を欠き、理論だけでは情熱が生まれず、方法だけでは具体的な問いが立たない。この3要素を掛け合わせるのがテーマ設定の基本である。
本記事は「テーマの具体例」に特化して構成している。卒論に「何を書くか」の本質論(問い・答え・根拠の3要素、書く7つの要素など)は別記事「卒論は何を書く?|3つの本質と書くべき7要素」で解説しているので、必要に応じて併読してほしい。本記事では、5分野で合計50個のテーマ例、発想パターン、絞り込み方法を具体的に提示する。抽象論より、まず具体例から発想を刺激したい学生向けの記事である。
本記事では、50例のテーマ、5つの発想パターン、絞り込みの3軸、書きやすい・書きにくいテーマの見分け方まで段階的に提示する。文系・理系を問わず、テーマ設定で迷っている学生が対象である。
卒論に書くべきテーマ|50例
5分野で合計50個の卒論テーマ例を提示する。自分の関心に近いものを出発点として、指導教員と相談しながら絞り込む。網羅性を意識して幅広い分野から抽出している。
文系(社会学・心理学・文学・歴史・教育)|10例
①SNS利用と若者の孤独感の関係——大学生アンケート調査
②コロナ後の在宅勤務が家族関係に与えた影響
③現代日本におけるサブカルチャーとアイデンティティ形成
④現代若者の恋愛観の変遷——20年前と現在の比較
⑤地方創生におけるSNS活用の可能性
⑥現代日本文学における「働く女性」の描かれ方——◯年代作品を中心に
⑦江戸期の商人文化と現代日本経営の共通点
⑧小学校における包括的性教育の実態と課題
⑨大学のオンライン授業が学習意欲に与えた影響
⑩若者の投票行動とSNS——選挙時の情報接触の分析
経済・経営系|10例
⑪サブスクリプションビジネスの成功要因分析——動画配信・音楽配信の比較
⑫コロナ禍における飲食業界のDX戦略
⑬インバウンド観光の経済波及効果——◯市の事例研究
⑭D2Cブランドの成長戦略——SNSマーケティングの活用
⑮ZOZOTOWNのアパレルECにおける競争優位
⑯地方銀行の生き残り戦略——地域密着型サービスの分析
⑰持続可能なアパレル業界のビジネスモデル
⑱スタートアップのIPO戦略——2020年代の事例分析
⑲SDGs経営と企業価値の関係
⑳日本のキャッシュレス決済の普及要因分析
理系実験系(化学・生物・農学・薬学)|10例
㉑◯◯化合物の合成と物性評価
㉒生物由来素材の環境浄化への応用
㉓細胞培養条件が◯◯タンパク質発現に与える影響
㉔農作物の生育に対する◯◯肥料の効果
㉕新規触媒を用いた◯◯反応の効率化
㉖薬剤耐性菌の分布調査と対策
㉗微生物を用いたバイオプラスチックの製造
㉘食品添加物の代替物質の探索
㉙◯◯植物からの抗酸化物質の抽出
㉚水質汚染の環境影響評価
情報・工学系|10例
㉛機械学習を用いた◯◯予測モデルの構築
㉜自然言語処理によるSNS投稿のセンチメント分析
㉝画像認識を用いた◯◯検出システム
㉞レコメンドシステムの精度向上——協調フィルタリングと深層学習の比較
㉟IoT技術を用いた◯◯モニタリングシステム
㊱ブロックチェーン技術の◯◯分野への応用
㊲AR技術を用いた◯◯教育アプリの開発
㊳サイバーセキュリティにおける◯◯攻撃の対策
㊴生成AIの学習における倫理的課題
㊵ロボットアームの制御アルゴリズムの最適化
学際・現代社会系|10例
㊶生成AIが著作権に与える影響——法制度と実務の乖離
㊷リモートワークの浸透と都市構造の変化
㊸フェミニズムと現代日本のジェンダー観
㊹Z世代の消費行動——SNS影響と実店舗回帰の共存
㊺気候変動と食料安全保障
㊻現代日本のフードロス問題と解決策
㊼多文化共生社会における教育の課題
㊽AIの労働市場への影響——雇用喪失と創出のバランス
㊾都市部の孤独問題と地域コミュニティの再構築
㊿デジタルデトックスと現代人のメンタルヘルス
50例はあくまで発想の出発点である。自分の関心・所属学部・利用可能なデータに応じて、これらをアレンジして使う。「そのまま使う」より「近いものをヒントに独自のテーマを作る」のが実務的な使い方である。
50例の使い方として、まず自分の学部に近い分野10例を眺め、次に他分野10例にも目を通すことを推奨する。他分野の視点が自分の分野に応用できることが多い。例えば、社会学系の学生が経済系のテーマを見ることで、「経済学的視点で社会現象を見る」新しい切り口を発想できる。50例は互いに独立ではなく、相互に触発し合う関係にある。「これは自分の分野じゃない」と決めつけず、幅広く目を通すことで、独自性のあるテーマが生まれやすくなる。
テーマ発想の5パターン
卒論のテーマを発想する5つの基本パターンを整理する。行き詰まった時に、この5パターンを試すと新しい視点が生まれる。以下、順に見ていく。
パターン①|関心軸
自分の趣味・好きなこと・興味あることを出発点にする。「音楽好き→ボカロの音楽的特徴分析」「映画好き→韓国映画のグローバル成功要因」など。関心があるからこそ、長期の執筆に耐えられる。
パターン②|時代軸
コロナ前後、SNS時代、生成AI時代など、時代の変化を軸にする。「コロナ後の◯◯」「生成AI時代の◯◯」など、時代性のあるテーマは新規性を出しやすい。先行研究がまだ少ない領域を狙える。
パターン③|地域軸
特定の地域・場所を軸にする。「◯市の商店街活性化」「地方創生と◯県の事例」「◯地域の伝統文化」など。地域を絞ると、フィールドワークや地元の一次資料が使いやすく、独自性のある卒論になる。
パターン④|比較軸
複数の対象を比較する。「◯社と△社の経営戦略比較」「日本とアメリカの◯政策比較」「◯年と△年の変化比較」など。比較を通じて、それぞれの特徴が浮き彫りになり、議論の深みが増す。
パターン⑤|現場軸
自分が経験した現場を軸にする。「アルバイト先の飲食店から見た人材マネジメント」「所属サークルの意思決定過程」「インターン先の企業風土分析」など。現場に密着した一次データが使える強みがある。
5パターンは組み合わせて使うのが実務的である。「関心×時代」なら「コロナ後のライブハウス経営」、「地域×比較」なら「◯市と△市の商店街比較」、「関心×現場」なら「自分のバイト先を事例にしたZ世代マーケティング」など。複数の軸で絞り込むほど、テーマは具体的になる。
5パターンの中で、初学者に最も推奨できるのはパターン⑤(現場軸)である。自分が実際に経験した現場は、他の学生や研究者がアクセスできない一次データの宝庫である。アルバイト先、所属サークル、インターン先、地元の商店街——これらの現場から出発すると、独自性のあるデータを持つ卒論が書きやすい。同時に、パターン②(時代軸)と組み合わせると新規性も出せる。「アルバイト先のカフェのコロナ後の変化」といった、「現場×時代」の組み合わせは、初学者でも高品質な卒論を書きやすい典型パターンである。
身近な関心をテーマに変える|3ステップ
「趣味や関心はあるけど、それを卒論テーマにする方法が分からない」——この状態から抜け出すための3ステップを整理する。順番通りに進めれば、テーマ発想の生産性が大きく上がる。
ステップ①|関心を10個書き出す|「好きなもの・こと」「気になる社会問題」「疑問に思うこと」を、頭に浮かぶままに10個書き出す。ジャンル・粒度は問わない。
ステップ②|「なぜ」「どうして」の問いに変換する|10個の関心それぞれに「なぜ◯◯なのか」「どうして◯◯が広がったのか」といった問いを付ける。「音楽が好き」→「なぜボカロ曲は若者に響くのか」といった具合。
ステップ③|学問分野に接続する|問いに対応する学問分野を考える。「なぜボカロ曲は若者に響くのか」→社会学(サブカルチャー論)、メディア論(CGM論)、音楽学(楽曲分析)など。自分の所属学部の理論枠組みに接続する。
この3ステップを1〜2時間かけて実行すると、複数のテーマ候補が浮かび上がる。その中から、自分の学部の指導教員と相談して、実行可能なものを絞り込む。「関心のリスト化→問い化→学問接続」の3段階を意識するだけで、テーマ発想の生産性が大幅に上がる。
3ステップでよくある詰まりポイントは、ステップ③(学問分野への接続)である。「音楽が好き→なぜボカロが響くか」までは思いつくが、そこから「どんな学問分野で扱えるか」が浮かばないケースが多い。この場合、自分の学部の教科書を眺めるのが有効。教科書の目次に並ぶ「◯論」「△学」といったキーワードが、あなたの問いを接続できる分野の候補となる。「メディア論」「ジェンダー論」「経営学」など、自分の学部で扱っている理論の中から、自分の問いに近いものを見つけると、テーマが学術的に成立する。学部の授業内容を思い出すだけでも、接続先の学問分野が見えてくる。
書くべきテーマの|3条件
卒論として成立するテーマは、3つの条件を満たす必要がある。この3条件で候補テーマを評価する。1つでも欠けているとテーマの成立が難しくなる。
条件①|先行研究の余地がある|既に答えが出ていないこと。同じ問いを扱った研究がある場合、独自の切り口(時代・地域・対象・方法)を加える必要がある。CiNii・Google Scholarで確認する。
条件②|データ入手が可能|自分の環境で調査・データ収集ができること。海外の内部データが必要なテーマ、企業の非公開データが必要なテーマは避ける。
条件③|学術的意義がある|「なぜこれを研究する意味があるか」を1文で説明できること。個人の趣味だけでは意義に欠ける。社会的・学術的な位置づけが必要。
3条件を全て満たすテーマが、卒論として書ける良いテーマである。1つでも欠けている場合、テーマを調整するか、別の候補に切り替える。特に条件②(データ入手可能)は、テーマ設定時に見落とされがちだが、書き始めてから「データが集まらない」と気づくと致命的である。事前にデータ入手の目処を立てることが実務的である。
3条件のチェックの実務的なコツとして、テーマ確定前に「先行研究5本を実際に読み、データ入手経路を1つ以上具体化する」ことを推奨する。「先行研究がありそう」ではなく「実際に5本入手済み」まで確認する。「データが取れそう」ではなく「◯◯サイトの◯データを使う」「◯◯人にインタビューする予定」まで具体化する。この事前検証に1〜2週間かけることが、後の執筆時間を大きく短縮する。着手後に「データが取れない」と気づくと、テーマ変更を強いられ、それまでの時間が無駄になる。準備段階での丁寧な検証が、実行段階の効率を決める。
書きやすいテーマの|共通点5選
実際に卒論として書きやすいテーマには、共通の特徴がある。5つの共通点を整理する。
特徴①|対象が具体的で絞られている|「日本の音楽産業」より「◯年代の日本ロックバンドのマーケティング戦略」の方が書きやすい。
特徴②|データが手に入りやすい|SNS投稿、公開データ、身近な人へのアンケートなど、学生の立場で入手できるデータがある。
特徴③|先行研究がある程度存在する|皆無だと書き方が分からず、多すぎると独自性が出せない。中程度の蓄積がある領域が理想。
特徴④|自分に馴染みがある|全く未知の分野より、多少なりとも予備知識のある領域が書きやすい。
特徴⑤|現代性・時代性がある|最新の社会現象を扱うと、新規性を出しやすく、モチベーションも保ちやすい。
5特徴を満たすテーマの例として、「TikTokにおける音楽拡散のメカニズム——2020年代のヒット曲を事例に」があげられる。対象具体・データ入手可能・先行研究中程度・自分に馴染みあり(SNS利用世代)・現代性の5特徴を全て満たす。このような「書きやすさ」を意識してテーマを選ぶと、着手後の負担が大きく減る。
書きにくいテーマ|5パターン
逆に、書きにくいテーマの5パターンも整理する。これらは指導教員から「テーマ変更を推奨」と言われることが多い。
NG①|範囲が広すぎる|「日本経済について」「音楽について」など。範囲を絞る必要がある。
NG②|データ入手が困難|企業の内部データ、特殊な機関の統計、海外の非公開資料が必要なテーマ。
NG③|時事的すぎる|直近の出来事を扱おうとするが、先行研究も分析材料もまだない状態。
NG④|マイナーすぎる|関連する先行研究がほぼ皆無で、参考文献リストが作れない対象。
NG⑤|自分の学部の専門外|指導教員の専門と全く異なる分野で、指導を受けられない。
5NGは指導教員に相談すると必ず指摘されるパターンである。テーマ候補が5NGに当たっていないかを、自分でチェックしてから相談に臨むと、無駄な時間が省ける。特に「範囲が広すぎ」は初心者が最も陥りやすいパターン。「大きな話題」ほど、絞り込みが必要である。
テーマ絞り込みの3軸|マトリクス
複数のテーマ候補から1つに絞り込む際の3軸マトリクスを提示する。3軸で評価して、最もバランスの良いものを選ぶ。数値化することで、感覚的な迷いから抜け出せる。
軸①|興味度|自分がどれだけ熱意を持って取り組めるか。1〜5の5段階で評価。
軸②|実行可能性|データ収集、分析、調査が現実的に可能か。1〜5の5段階で評価。
軸③|学部・専門性との整合|自分の学部・指導教員の専門との整合度。1〜5の5段階で評価。
3軸それぞれで5段階評価し、合計点数の高いテーマを選ぶ。ただし、どれか1つの軸で評価が「1」だと、他が高くても難航する可能性が高い。3軸ともに3以上のものを選ぶのが安全である。特に軸③(学部との整合)が低いテーマは、指導教員のサポートを得にくいため要注意。就活と関連させたい場合は、就活希望業界を「隠れ4軸目」として加えることもできる。
テーマ発想の具体例|5シーン
自分の関心をテーマに変える具体例を5シーン提示する。自分の状況に近いものを参考にする。
シーン①|音楽好き学生の場合
関心:ボカロが好き→問い:なぜボカロ曲は若者に響くのか→学問接続:社会学(サブカルチャー論)+メディア論(CGM論)→テーマ:「ボカロ楽曲の歌詞に見る現代若者の情動——2020年代の人気曲を中心に」
シーン②|映画好き学生の場合
関心:韓国映画が好き→問い:なぜ韓国映画は世界で評価されるのか→学問接続:文化研究+メディア論→テーマ:「韓国映画のグローバル成功要因——2020年代の受賞作品を中心に」
シーン③|SNS好き学生の場合
関心:TikTokの拡散が興味深い→問い:どんな要素がバズるのか→学問接続:メディア論+マーケティング→テーマ:「TikTokにおけるバズの要因分析——2024年の人気動画のパターン抽出」
シーン④|バイト経験のある学生の場合
関心:カフェチェーンで働いた経験→問い:なぜ◯カフェは他店より繁盛するか→学問接続:経営学(サービスマーケティング)→テーマ:「カフェチェーンの顧客満足度要因——◯店の事例分析」
シーン⑤|ゼミの関心から発展
関心:ゼミで学んだジェンダー論に興味→問い:現代日本の広告のジェンダー表象は変化しているか→学問接続:ジェンダー研究+広告論→テーマ:「日本のテレビCMにおけるジェンダー表象の変遷——2015年と2025年の比較」
5シーンの共通点は、「個人的な関心」→「学術的な問い」→「具体的な卒論テーマ」への3段階の変換プロセスである。自分の日常や経験から出発すれば、無理に「学術的な話題」を探す必要はない。関心の対象を学術的に扱う方法を見つけることが、実務的なテーマ設定の近道である。
テーマ選定チェックリスト|10項目
絞り込んだテーマが「本当に卒論として書けるか」を確認するチェックリストを提示する。1つずつ確認する。提出前に自分自身で厳しくチェックする姿勢が卒論の質を上げる。
①テーマを1文で言えるか(「◯について、△という方法で、◯を明らかにする」)
②先行研究がCiNii・Google Scholarで5本以上見つかるか
③既存研究に何を付け加えるか明確に言えるか
④自分の学部の理論枠組みで論じられるか
⑤データ収集が現実的に可能か(締切までに実施可能か)
⑥指導教員の専門と整合しているか
⑦自分が3〜6か月続けて取り組める熱意があるか
⑧範囲は具体的に絞られているか(広すぎず狭すぎず)
⑨締切までに必要な作業量が現実的か
⑩指導教員に相談して合意を得られそうか
10項目全てにYESと答えられれば、そのテーマは卒論として書ける。1つでもNOがある場合、その項目を改善するか、テーマ自体を調整する。指導教員との相談前にこのチェックを済ませておくと、面談の質が上がり、承認を得やすくなる。
迷った時の「決めうち」戦略
複数の候補で迷い続けて着手できない状態を避けるための「決めうち」戦略を整理する。
1ヶ月以上迷い続けているなら、「完璧なテーマ」ではなく「悪くないテーマ」を選ぶ判断が必要である。実は多くの場合、複数のテーマ候補には決定的な優劣はない。どれを選んでも、真剣に取り組めば良い卒論になる。「これが最善か」の判断は時間の無駄になりやすい。「これで書ける」の判断で決めうって、着手する方が結果的に良い卒論に到達する。
決めうち後にテーマを微調整することは可能である。「絶対に変えられない選択」ではないと理解すると、心理的なハードルが下がる。書き始めて2〜3週間経った時点で、必要に応じて指導教員と相談してテーマを調整する余地は残されている。「完璧を待って動けない」より「まず動いて改善する」の方が、卒論の完成に近づく実務的な姿勢である。
それでも判断に迷う場合の選択肢
テーマ設定で判断に迷う場合の選択肢を3つ提示する。
①指導教員に絞った3案を持って相談|50例から絞り込んだ3案(第1〜3志望)を持って指導教員と面談。フィードバックを受けて調整する。
②先輩の卒論を数本読む|同じ研究室・学科の過去の卒論を大学リポジトリで検索。「先輩たちはどんなテーマを選んだか」を知ると、自分の選択の参考になる。
③第三者の添削でチェック|絞り込んだテーマ案の学術性・実行可能性を第三者にチェックしてもらう。レポートビズでは、累計6,000件超の指導実績をもとに、参考資料としての卒論のテーマ設定・構造チェックを提供している。公式LINEには1,700名超が登録しており、24時間相談を受け付けている。
よくある質問|FAQ
Q1|好きなことをテーマにしていいですか
いい。むしろ関心が強いテーマの方が、長期の執筆に耐えられる。ただし「好き」を出発点にしつつ、学問分野の理論枠組みで論じる姿勢が必要。「推し語り」ではなく「対象の学術的分析」に変換する。
Q2|流行のテーマ(生成AIなど)は書きやすいですか
両面ある。新規性は出しやすいが、先行研究がまだ少なく、書き方の参考が乏しい。時事性の高いテーマを選ぶ場合は、既存の理論枠組みを活用して分析する視点が必要。
Q3|理系ですが、実験ができない環境です
文献研究、シミュレーション、既存データ分析など、実験以外の方法もある。指導教員に「実験ができない環境で扱えるテーマ」を相談する。理論系や情報系なら実験不要のテーマが多い。
Q4|テーマが決まらず、着手できません
1ヶ月以上迷っているなら「悪くない候補」で決めうって着手する。「完璧なテーマ」を求めるより「まず動く」方が結果的に良い卒論になる。着手後に調整することは可能である。
Q5|指導教員に反対されそうなテーマを選んでいいですか
基本的に指導教員の意向を尊重する。指導教員のサポートなしでは卒論は書きにくい。反対される場合、その理由を聞いて、テーマを調整するか、別の候補に切り替える判断が実務的である。
Q6|先輩と同じテーマは避けるべきですか
完全に同じは避けるべきだが、切り口を変えれば可能。「同じ対象を別の視点で分析」「同じテーマを別の時代で検討」など、独自性を出す工夫があれば、類似テーマでも卒論として成立する。
Q7|テーマは何回まで変更していいですか
大きな変更は2回までが目安。それ以上変更すると、時間切れになる。小さな調整(対象の限定、時代の絞り込みなど)は何度でも可能。着手後3ヶ月以上経ってからの大幅変更は避ける。
まとめ|関心を学問に変える視点を
本記事では、卒論に書くテーマについて、5分野50例、テーマ発想の5パターン、身近な関心をテーマに変える3ステップ、書くべきテーマの3条件、書きやすいテーマの共通点5選、書きにくいテーマ5パターン、3軸マトリクス、具体例5シーン、チェックリスト10項目、決めうち戦略、FAQまでを体系的に整理してきた。
卒論のテーマは「自分の関心+学問分野の理論+実行可能な調査方法」の3要素で決まる。関心だけでは学術性を欠き、理論だけでは情熱が生まれず、方法だけでは具体性が生まれない。3要素を掛け合わせる意識で、50例を出発点として自分の卒論テーマを設計してほしい。テーマ発想は「才能」ではなく「訓練」で身につくスキルである。5パターン(関心/時代/地域/比較/現場)を意識して発想を広げ、3条件と3軸マトリクスで絞り込むと、質の高いテーマに到達できる。
本記事のポイントを整理すると、以下の3点に集約される。第一に、5分野50例のテーマ候補を出発点として、自分の関心・学部・データ入手可能性に応じてアレンジする。第二に、テーマ発想は5パターン(関心/時代/地域/比較/現場)の組み合わせで無数のバリエーションを作れる。第三に、迷い続けるより「悪くない候補」を決めうって着手し、書きながら微調整する方が実務的である。この3点を意識すれば、テーマ設定の迷いから抜け出し、卒論着手に進める。
もし卒論全体の完成度やテーマ設定で判断に迷う場合、累計6,000件超の指導実績を持つレポートビズ編集部が参考資料としての活用視点でサポートしている。公式LINEには1,700名超が登録しており、納期100%達成の実績とともに、卒論執筆に伴走する体制を整えている。テーマ設定は卒論の8割を決める最重要工程——本記事の50例と発想パターンを、あなたのテーマ発見に活用いただきたい。
最後に強調したいのは、テーマ設定は「1回で完璧」を求める工程ではないという点である。書きながら微調整し、指導教員のフィードバックで方向転換し、データを集めながら焦点を絞る——このダイナミックなプロセスがテーマの本質である。「完璧なテーマを見つけてから着手」ではなく「良さそうなテーマで着手し、書きながら磨く」姿勢が実務的である。本記事の50例と5パターンを出発点として、あなただけの卒論テーマを育てていってほしい。テーマは種であり、卒論執筆はその種を育てる作業である。
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