卒論の表の作り方|種類7・原則5・NG10選

「卒論に表を入れたいが、タイトルはどこに書くのか」「罫線はどこまで引くべきか」「表番号のつけ方は正しいのか」「Excelで作った表をWordに貼り付けたら崩れる」——卒論の表作成は、内容以上に体裁で悩む学生が多い工程である。上位競合は個別のTipsが多く、種類・原則・NG例・分野別違い・統計表示ルールまで統合した体系記事は業界にほぼ存在しない。なお本記事は「表(テーブル)」の作り方を扱うもので、「表紙」を探している方は別記事を参照してほしい。

本記事では、累計6,000件超の卒業論文・レポート添削を手がけてきたレポートビズ編集部の視点から、卒論の表の種類7分類、基本規則5原則、作り方7ステップ、分野別スタイル、3本線表(APAスタイル)、NG10選、表と図の使い分け5基準、統計表の表示ルール、Word・Excelの効率化テクニック、表チェックリスト10項目までを体系的に整理する。この記事を読み終える頃には、自分の卒論に必要な表を、正しい形で作成できる。

特に本記事で強調したいのは、卒論の表は「Excelの機能をそのまま使えば良い」わけではないという点である。Excelはビジネス用途で使われることも多く、デフォルトの罫線・色・書式は必ずしも学術論文向けではない。学術的に正しい表とビジネス的な表は、体裁が大きく異なる。この違いを知らずに卒論に表を貼り付けると、内容がどれだけ優れていても素人感が拭えない。本記事の内容を実践することで、学術論文にふさわしい表を作れるようになる。

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卒論の表|結論と全体像

結論から述べる。卒論の表で最も重要なのは「上にタイトル」「通し番号」「本文で参照」の3点である。表のタイトルは表の上に置く(図のタイトルは下)、表1・表2などの通し番号を振る、本文中で「表1に示すように…」と明示的に参照する——この3点を守れば、体裁の90%はクリアできる。

次に重要なのは「罫線を最小限にする」ことである。表全体を格子状に囲む縦罫線は、多くの学術分野で「見にくい」とされる。学術論文では「3本線表(トップライン・ミドルライン・ボトムライン)」がAPAスタイルの標準であり、縦罫線を使わない設計が推奨される。この規則を知らずに、Excelのデフォルト罫線をそのまま卒論に貼り付けると、素人感が強くなる。

本記事では、表の種類、基本規則、作り方、分野別スタイル、NG例、効率化技まで段階的に提示する。理系・文系問わず、卒論に表を使うすべての学生が対象である。表の種類によって作り方が異なるため、まず自分が作りたい表がどの種類かを特定するのが実務的な出発点となる。

卒論の表の種類|7分類

卒論で使う表を7つに分類する。それぞれ用途と作り方が異なる。

①一覧表

複数の項目を整理して一覧化する表。「対象作品リスト」「調査対象者の属性一覧」など。最も基本的で、卒論のあらゆる分野で使われる。項目名を列に、個別ケースを行に配置する。

②度数表(頻度表)

アンケート結果やカテゴリデータの頻度を示す表。カテゴリ、度数(N)、パーセント(%)の3列が基本。「性別」「年代」などの単一カテゴリの分布を示す。

③クロス集計表

2つのカテゴリ変数の関係を示す表。「性別×職業選択」など、行と列に別々のカテゴリを配置。カイ二乗検定などの統計結果と組み合わせるのが一般的。

④統計分析表

回帰分析、相関分析、分散分析などの結果を示す表。係数、標準誤差、t値、p値などを列にした本格的な統計表。APAスタイルに沿った書式が求められる。

⑤比較表

複数の対象を項目ごとに比較する表。「A社/B社/C社の経営指標比較」「先行研究の比較」など。文系・経営学系の卒論で頻用される。

⑥年表・時系列表

時系列に沿った出来事を整理する表。歴史学・社会学の卒論で使う。年次を左列、出来事を右列に配置。

⑦参考文献リスト表

複数の文献を体系的に整理する表。「先行研究の一覧」で著者・年・タイトル・要約を列にする。文献レビューを可視化する際に有用。

自分の卒論でどの種類の表が必要かを最初に決めると、作り方が明確になる。1本の卒論で複数種類を使うのが通常で、それぞれ適切な体裁で作る。

7種類の表を分野別に整理すると、傾向が見えてくる。文系の社会学・心理学系では①一覧表、②度数表、③クロス集計表、⑤比較表が中心。経済学・経営学系では①一覧表、④統計分析表、⑤比較表が主流。歴史学・文学系では①一覧表、⑤比較表、⑥年表が中心。工学・実験系では④統計分析表、①一覧表(実験条件表)が多い。自分の分野で頻用される表の種類を先輩の卒論で確認し、それらのフォーマットを参考にすると効率的である。「まず1つ完璧な表を作る→他の表もそれに揃える」というアプローチが、統一感のある卒論を作る近道となる。

表の基本規則|5原則

すべての表に共通する5つの基本規則を整理する。これを守るだけで、体裁の大部分がクリアできる。

原則①|タイトルは表の上に|表のタイトルは表の上部に配置する。図のタイトル(下部)と逆なので混同しない。例:「表1 調査対象者の属性」
原則②|通し番号を振る|表1、表2、表3…と通し番号を振る。図の番号(図1、図2)とは別体系で管理する。
原則③|本文で必ず参照する|「表1に示すように…」「(表2参照)」と、本文中で明示的に参照する。参照されない表は、卒論に載せる意味がない。
原則④|罫線は最小限に|APAスタイルでは横罫線3本(トップ・ミドル・ボトム)のみ推奨。縦罫線は基本的に使わない。分野によって慣行が異なるため、指導教員に確認する。
原則⑤|シンプルに徹する|色・装飾・特殊フォントは使わない。白黒印刷でも読めるデザインが原則。

これら5原則は、学術論文の国際的な慣行に基づく。特に原則④の罫線最小限は、日本の学生が最も見落としがちなポイント。Excelのデフォルト罫線をそのまま使うと、原則④に反することが多い。表を作成した後、罫線を意識的に整理する時間を必ず取る。

5原則を守る上で、実務的なコツとして「タイトルの粒度」を意識する。表のタイトルは「表1」だけでは不十分で、「表1 調査対象者の属性(N=234)」のように、内容を要約する短文を含める。読者が本文を読まなくても、タイトルだけで「この表は何を示しているのか」が分かるレベルの情報密度が理想である。逆に「表1 データ」のような漠然としたタイトルは、読者に何を伝えたいか不明瞭で、卒論全体の質を下げる。タイトルの一言に、その表の意義を凝縮する意識が重要である。

表の作り方|7ステップ

表を作成する実務的な7ステップを整理する。この順序で進めれば、迷わず作れる。

ステップ①|目的を明確にする|「何を伝えるための表か」を1文で言語化する。目的が曖昧だと、情報の取捨選択ができない。
ステップ②|データを集める|表に載せる元データを整理する。エクセル等でリスト化。
ステップ③|表の種類を決める|7分類のどれに該当するかを決定。種類によって設計が変わる。
ステップ④|レイアウトを設計する|行と列に何を配置するかを決める。「主要な分類を行に、比較したい変数を列に」が基本。
ステップ⑤|実際に作成する|Word・Excelで作成。表のセル数、罫線、フォントを整える。
ステップ⑥|本文で参照する|本文中に「表1に示すように…」と参照文を挿入。
ステップ⑦|ダブルチェックする|数値・番号・タイトル・罫線を全て再確認。指導教員に見せる前にチェック。

7ステップの中で最も見落とされやすいのはステップ①(目的の明確化)である。「表があった方が説得力が増しそう」といった漠然とした理由で表を作ると、伝えたいことがぼやける。「何を証明するための表か」「読者に何を理解させたい表か」を明確にしてから作成する。

7ステップを進める上で、ステップ④(レイアウト設計)にも実務的なコツがある。「主要な分類を行に、比較したい変数を列に」が基本原則だが、行と列の数を意識する。行が多すぎる(20行以上)と情報過多で読みにくくなる。列が多すぎる(6列以上)と横に長くなり、印刷時に見切れる。原則として、行10〜15、列3〜5の範囲に収めるのが読みやすい。それを超える情報量が必要な場合は、複数の表に分割することを検討する。「1つの表に情報を詰め込む」より「役割別に複数の表に分ける」方が読者への配慮が高い。

分野別|表のスタイル

分野によって表のスタイルの慣行が異なる。主要な5分野の傾向を整理する。

①APAスタイル(心理学・教育学・社会科学)|米国心理学会の書式。3本線表(横罫線のみ)、有意水準は*p<.05、**p<.01などのアスタリスク表記が標準。
②SIST(科学技術情報流通技術基準)|日本の科学技術系の書式。国立情報学研究所が策定。理系論文で採用されることが多い。
③Natureスタイル(生命科学・化学)|Nature誌の書式。簡潔なデザインでdata-rich、キャプションが詳細。
④経済学スタイル|標準誤差を係数の下に括弧内で示す方式が主流。有意水準を表下に注記する。
⑤心理学スタイル(日本)|APAスタイルに準拠しつつ、日本心理学会の書式指示に従う。日本語文献では若干のローカライズがある。

自分の学部・ゼミがどのスタイルに準拠するかを、指導教員または学生便覧で確認する。「なんとなく作った表」ではなく「◯スタイルに準拠した表」であることを示せると、卒論全体の学術的な信頼性が上がる。

5スタイルの中で、初学者に最も推奨できるのはAPAスタイルである。心理学・社会科学を中心に世界標準として広く採用されており、日本の大学でもAPAスタイルに準拠したガイドラインを持つ学部が多い。また、APAスタイル準拠の3本線表はどの分野の教員が見ても「学術的に正しい表」として認識される。分野固有のスタイル(SIST、経済学など)が指定されていない限り、APAスタイルを選ぶのが実務的な選択となる。ただし、実験系理系の場合は指導教員に「SIST準拠か学会誌の慣行があるか」を確認するのが安全である。分野ごとの微妙な違いは、査読論文を1〜2本参照するだけでも把握できる。

3本線表(APAスタイル)の作り方

学術論文で最も推奨される「3本線表」の作り方を詳しく解説する。この形式を身につければ、多くの分野で通用する。

3本線とは|表に横罫線を3本だけ引く形式。
①トップライン(top rule):表の一番上、列見出しの上に太めの線
②ミドルライン(mid rule):列見出しとデータの間に細い線
③ボトムライン(bottom rule):表の一番下、データの終わりに太めの線

Wordで3本線表を作る手順|①Wordのメニューから「挿入→表」で表を挿入。②「デザイン」タブから「罫線→線種とページ罫線と網かけの設定」を開く。③デフォルトで格子状に入っている罫線を全て解除。④トップ・ミドル・ボトムの3本だけを引く。太さは上下を1.5pt、中央を0.5ptなどで差をつける。
Excelで作る場合|①データを入力後、範囲選択。②「セルの書式設定→罫線」で不要な罫線を削除。③トップ・ミドル・ボトムだけ選択して罫線を追加。④Wordに貼り付ける際は「図として貼り付け」を選ぶと崩れにくい。
LaTeXで作る場合|`booktabs`パッケージを使用。`\toprule`、`\midrule`、`\bottomrule`のコマンドで3本線表を自動生成できる。

3本線表は初見だと「線が少なすぎて情報が伝わらないのでは」と思うかもしれないが、実際は逆で、余計な罫線を省くことで数値・データそのものに読者の注意が集中する。世界中の学術論文で採用されている理由がここにある。

3本線表を最初に見た読者(指導教員含む)の反応は「洗練された表だ」というものが大半である。理由は、書店で見かける学術書・海外論文・査読論文の大半がこの形式を採用しているからで、視覚的に「学術的な信頼性」を感じる訓練が読者側にも刷り込まれている。逆に格子罫線びっしりの表は「Excelから貼り付けたビジネス表」の印象を与える。同じデータ・同じ情報量でも、体裁で受ける印象は大きく異なる。細部への配慮が卒論全体の評価を左右することを、この事実は示している。

表のNGパターン|10選

卒論の表で頻出するNGパターンを10個整理する。指導教員から必ず指摘される失敗例である。

NG①|過剰な罫線|Excelのデフォルト格子罫線をそのまま使用。3本線表への修正が必要。
NG②|色使いすぎ|セルを色分けする、文字色を変える。白黒印刷を前提にすべき。
NG③|フォント不統一|表内の文字サイズ・書体が揃っていない。フォント・サイズは全表で統一。
NG④|番号ミス|表番号が飛んでいる、重複している。挿入・削除後の再確認が必須。
NG⑤|縦罫線の多用|セル同士を縦罫線で区切ると読みにくい。横罫線のみが推奨。
NG⑥|セル結合の乱用|意味なくセルを結合すると、後の編集が困難。必要な場所のみ結合する。
NG⑦|文字の詰め込み|セル内に長文を詰め込む。表は短い数値・カテゴリ用で、長文は本文に。
NG⑧|表の位置不明|本文と離れた場所に表を配置。表は言及する本文の直後または次ページに置く。
NG⑨|本文で参照しない|表を載せただけで本文中で言及しない。参照されない表は削除すべき。
NG⑩|桁数不揃い|「1.2」「1.23」「1.234」と桁数が揃っていない。全て同じ桁数(通常は小数点第2位)に統一する。

10NGの中で特に多いのはNG①(過剰な罫線)、NG④(番号ミス)、NG⑨(参照なし)である。表を作った後、この3点だけでもチェックすると、多くの失敗を防げる。指導教員の目に触れる前に自分で発見・修正できる。

10NGを踏まえた実務上の運用として、「表作成後の必修チェック30分」を推奨する。卒論全体の中で表は10〜20個作ることが多いが、それら全てをこの30分でチェックする習慣をつける。10NGを1項目ずつ全表に対して確認するだけで、多くの体裁不備を提出前に発見できる。「作った後の見直し時間」を最初からスケジュールに組み込むことが実務的である。逆に「時間がないから見直せない」状態になると、体裁で減点される可能性が高くなる。細部の見直しに時間を割ける状態を、最初から計画に含めておくことが重要である。

表と図の使い分け|5基準

「表を作るべきか、図(グラフ)を作るべきか」で迷うことがある。5つの基準で使い分ける。

基準①|精密な数値を示す→表|正確な数値を読者に伝えたい場合は表。図(グラフ)では正確な数値が読み取りにくい。
基準②|傾向・パターンを示す→図|時系列変化、相関関係、比較のパターンを直感的に伝えるなら図。
基準③|カテゴリ比較(3〜5項目)→表|少数のカテゴリを詳細に比較するなら表の方が読みやすい。
基準④|多項目の量的比較→図(棒グラフ・折れ線)|10項目以上の量的比較は、グラフの方が全体像を把握しやすい。
基準⑤|関係性の可視化→図(散布図・ネットワーク図)|変数間の関係、要素間のつながりを見せるなら図。

表と図はそれぞれ得意領域が異なる。「表しか作れないから表」ではなく、目的に応じて最適な形式を選ぶ。ときには同じデータを表と図の両方で示すことも有効(表で精密数値、図で傾向)。ただし冗長にならないよう、必要最小限に留める。

統計表の表示ルール

統計分析結果を表にする際の特有のルールを整理する。APAスタイルを基準とする。

小数点桁数の統一|係数は小数点第2位まで(例:0.75)、p値は小数点第3位まで(例:.023)、標準誤差は係数と同じ桁数。全て同じルールで揃える。
有意水準の表示|*p<.05、**p<.01、***p<.001のアスタリスク表記が標準。表の下に注記として明示する。
N数の明示|「N=234」の形式で、サンプルサイズを表内または注記に明示する。
相関表の書き方|対角線上は空白または太文字、上三角と下三角のどちらかにデータを配置。
回帰分析表|係数、標準誤差(括弧内)、t値、p値の順で列を配置。R²、F値、N数を表下に明示。
絶対値1未満の表示|「0.75」ではなく「.75」と書くのがAPAスタイル。ただし分野慣行に従う。

これらのルールは細かく見えるが、統計論文では標準化されている。慣れない学生は指導教員に確認するのが安全だが、APAスタイルガイドライン(第7版が最新)を参照するのも有効である。

統計表の作成では、SPSSやRなどの統計ソフトの出力をそのまま貼り付けるのを避けたい。統計ソフトの出力は開発者向けの情報が過剰に含まれ、卒論に必要な情報だけを抽出する加工が必要となる。実務的には、統計ソフトの出力をExcelに一度貼り付け、必要な列(係数、標準誤差、p値、N数)だけを抽出し、それをWord/LaTeXで整形するという2段階アプローチが最も効率的である。この加工プロセス自体が「データを理解している」ことの証明にもなる。統計ソフトの出力をそのまま貼り付ける卒論は、「データを読み取れていない」印象を与えかねない。

WordとExcelの効率化テクニック

表作成の効率を高めるWord・Excelの機能を整理する。これらを使いこなせば、作業時間を大幅に短縮できる。

Wordの図表番号の自動採番|「参考資料」タブ→「図表番号の挿入」で自動的に連番管理。表を挿入・削除しても番号が自動更新される。
Wordの相互参照|「参考資料」タブ→「相互参照」で、本文中の「表1」の参照を自動化。番号が変わっても本文の参照も自動更新。
Excelから貼り付ける際のコツ|Excelで作った表をWordに貼り付ける時、「形式を選択して貼り付け」から「Microsoft Excelワークシートオブジェクト」を選ぶと、Word上でも編集可能。またはPNG画像として貼り付けると、レイアウトが崩れない。
Excelの表スタイル|「ホーム」タブの「テーブルとして書式設定」でプリセットスタイルを適用。ただしデフォルトは装飾が多いので、卒論用にはシンプル系を選ぶ。
統計ソフト出力の整形|SPSS、R、Stataなどの出力を直接貼り付けず、必要な部分だけ抽出してWord/LaTeXで整形する。プロっぽい表になる。

これらのテクニックは、卒論以降(修論・学会発表・社会人業務)でも使い続ける汎用スキルである。時間投資の価値が非常に高い。特にWordの図表番号自動採番は、後々の修正時に多大な時間節約になる。

表チェックリスト|10項目

提出前に表を全て見直すためのチェックリスト10項目を提示する。1つずつ確認する。

①タイトルは表の上に配置されているか
②通し番号が正しく振られているか(表1、表2、…)
③本文中で全ての表が参照されているか
④罫線は最小限になっているか(3本線推奨)
⑤色・装飾が過剰でないか(白黒印刷を想定)
⑥フォント・サイズが表全体で統一されているか
⑦小数点の桁数が揃っているか
⑧N数、有意水準の注記が入っているか(統計表の場合)
⑨表は言及する本文の直後または次ページに配置されているか
⑩表の内容が本文の議論と整合しているか

10項目を全てクリアすれば、体裁面での問題は基本的にない。1つでも欠けているものがあれば、修正して再確認する。特に⑩(本文との整合)は最終確認で見落としがちなので、注意する。

チェックリストを使う際の実務的なコツとして、「印刷して紙で確認する」ことを推奨する。画面上では気づきにくい体裁不備(罫線の太さ、桁数のズレ、番号の間違いなど)が、印刷して紙面で見ると明確になる。特に卒論提出前の最終チェックでは、印刷版で全表を1つずつ確認する時間を確保する。この時間投資が、提出物の完成度を大きく上げる。締切ギリギリで印刷して発見しても修正時間が取れないため、余裕を持って印刷確認する日程を組んでおくことが実務的である。

それでも判断に迷う場合の選択肢

表の作り方で判断に迷う場合の選択肢を3つ提示する。

①指導教員に確認|分野・研究室の慣行が最優先。「この表の書式は正しいですか」と早めに確認する。
②先輩の卒論を参照|同じ研究室の過去の卒論を参照。慣行が把握できる。
③第三者の添削でチェック|表の体裁を第三者にチェックしてもらう。レポートビズでは、累計6,000件超の指導実績をもとに、参考資料としての卒論の内容・体裁チェックを提供している。公式LINEには1,700名超が登録しており、24時間相談を受け付けている。

よくある質問|FAQ

Q1|表のタイトルはどこに書きますか

表の上に書く。図のタイトル(下)と逆なので混同しない。「表1 調査対象者の属性」のように、番号+タイトルの形式。

Q2|表の罫線はどう引きますか

APAスタイルなら3本線(トップ・ミドル・ボトム)のみ。縦罫線は使わない。分野の慣行に従うのが基本だが、迷ったら3本線が最も汎用的で見栄えも良い。

Q3|表番号は章ごとにリセットしますか

分野による。心理学・APAは通し番号(表1〜表n)、工学系は章別(表1-1、表2-1のように第1章の1番目、第2章の1番目)が多い。指導教員に確認する。

Q4|Excelで作った表をWordに貼り付けると崩れます

「形式を選択して貼り付け→図(PNG)」を選ぶと崩れない。編集可能な形式で貼りたい場合は「Microsoft Excelワークシートオブジェクト」を選ぶ。もう一つの方法は、Excelで完成させてから、Wordに新規表を作成し、値だけをコピペする方式。

Q5|統計分析結果の表はどう作りますか

SPSS、R、Stataの出力を直接貼り付けるのではなく、必要な情報(係数、標準誤差、p値、N数)だけを抽出してWord/LaTeXで整形する。APAスタイルに従うのが最も汎用的。

Q6|表と図はどちらを優先すべきですか

目的による。精密な数値なら表、傾向・パターンなら図。同じデータで両方作ることも可能だが、卒論全体の情報量が増えすぎないよう、必要最小限に留める。

Q7|表の作成に時間がかかりすぎます

Wordの「図表番号の自動採番」「相互参照」機能を使う。Excelでのテンプレート化も有効。1つ完璧に作ったら、後は複製・修正で作業時間が大幅に短縮される。

まとめ|表は読者への配慮

本記事では、卒論の表について、種類7分類、基本規則5原則、作り方7ステップ、分野別スタイル、3本線表(APAスタイル)、NG10選、表と図の使い分け5基準、統計表の表示ルール、Word・Excelの効率化テクニック、表チェックリスト10項目、FAQまでを体系的に整理してきた。

表は「情報を整理する」だけでなく「読者に理解を促す」ためのツールである。適切なタイトル配置、通し番号、本文参照、シンプルな罫線——これらは全て「読者がスムーズに情報を得られるための配慮」である。「表を作った」ではなく「読者に伝わる表を作った」の視点で、細部まで丁寧に整えることが、卒論の学術的信頼性を高める。10項目のチェックリストを使って、提出前に必ず全表を見直してほしい。

本記事のポイントを整理すると、以下の3点に集約される。第一に、表の基本規則5原則(上にタイトル/通し番号/本文参照/罫線最小限/シンプル)を守れば体裁の大部分がクリアできる。第二に、3本線表(APAスタイル)は多くの分野で通用する国際的標準形式で、身につけると生涯使える。第三に、10項目のチェックリストで提出前に全表を見直せば、頻出のNGパターンを防止できる。この3点を意識すれば、卒論の表は学術的な信頼性を持つ質の高いものになる。

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最後に強調したいのは、表作成のスキルは卒論だけの技術ではないという点である。修士論文、学会発表、社会人としての報告書、プレゼン資料——表の作り方の基本は生涯にわたって使い続けるスキルとなる。卒論の時期に3本線表・APAスタイル・図表番号自動採番などの技術を身につけることは、将来にわたる大きな投資である。本記事で示した内容を実践すれば、単に卒論の質が上がるだけでなく、社会人になってからの資料作成でも通用する体裁感覚が身につく。この機会に丁寧に取り組んでほしい。

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