最終更新日:2026年7月19日
この記事でわかること
- バンクーバー方式の定義と本質(引用順方式)
- ハーバード方式(著者名・発行年方式)との違い
- バンクーバー方式が主流の分野(医学・看護・薬学・自然科学)
- 本文中の引用番号の3パターン(上付き数字・括弧書き・角括弧)
- 文献リストの正しい書式と項目順
- 文献種別ごとの書式(雑誌論文・書籍・章・Web・学会発表)
- 同一文献の複数箇所引用のルール
- バンクーバー方式のよくある8つのミス
- Word・EndNote・Mendeleyでの自動化
執筆:レポートビズ編集部
2021年5月の開業以来、累計6,000件超のレポート・卒論作成の依頼に対応してきた編集チームが、業界内部の視点でバンクーバー方式の書き方を中立的に整理している。学生向けの一般記事では扱われにくい「文献種別ごとの書式」や「同一文献の複数箇所引用」まで踏み込んで解説する。
「レポート バンクーバー方式」——このKWを検索する人は、看護・医学・薬学系の授業でバンクーバー方式が指定されたが書き方が分からない、あるいはハーバード方式との違いを理解したい状況にあることが多い。
結論から言えば、バンクーバー方式は「本文中に引用順の番号を振り、文献リストを番号順に並べる方式」である。医学・看護・薬学・自然科学系で標準的に使われ、番号の書き方と文献リストの書式ルールを押さえれば運用できる。
この記事では、バンクーバー方式の定義・ハーバード方式との違い・番号ルール・文献リスト書式・文献種別ごとの書き方・よくあるミス・ツール活用まで、業界内部の視点で公平に整理する。
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バンクーバー方式とは何か
結論:バンクーバー方式は「本文中の引用箇所に引用順の番号を振り、文献リストを引用順に並べる引用方式」である。医学分野で標準的な方式として国際的に採用されている。
まず、バンクーバー方式の基本的な仕組みと歴史的背景を整理する。
「引用順方式」とも呼ばれ、番号で管理するのが特徴である。
バンクーバー方式の名前の由来
バンクーバー方式の名前は、1978年にカナダのバンクーバーで開催された会議に由来する。
医学雑誌編集者国際委員会(ICMJE)の前身が、この会議で医学論文の統一書式を策定した。これが現在のバンクーバー方式の起源である。医学分野の国際標準として、世界中の医学雑誌で採用されている。
ICMJEは現在も定期的に書式ガイドラインを更新しており、公式サイトで最新版を無料公開している。厳密な書式が必要なときは、この公式ガイドラインを参照するのが確実である。
バンクーバー方式の基本ルール
バンクーバー方式の基本ルールは「引用順に番号を振り、文献リストを番号順に並べる」ことである。
本文中で最初に引用した文献に「1」、次に引用した文献に「2」といった形で番号を振っていく。文献リストは、この番号順に並べる。著者名の五十音順やアルファベット順ではない点が、ハーバード方式との大きな違いである。
なぜ引用順で並べるのか
引用順で並べる利点は、本文と文献リストの対応関係が明確になることである。
本文中の「(1)」を見れば、文献リストの1番目を探せばよい。著者名を探す手間がなく、大量の引用がある医学論文でも管理しやすい。医学分野で採用されている理由の一つである。
バンクーバー方式とハーバード方式はどう違うか
結論:バンクーバー方式は「引用順に番号で管理」、ハーバード方式は「著者名と発行年で管理」する。使う分野と読み手の利便性の観点で使い分ける。
両方式の違いを、実務的な観点から整理する。
この違いを理解すれば、どちらの方式が自分の分野に適しているかが分かる。
両方式の比較表
両方式の主要な違いを表形式でまとめると、以下のようになる。
| 項目 | バンクーバー方式 | ハーバード方式 |
|---|---|---|
| 本文中の表記 | 引用順の番号(1) | 著者名と発行年(Tanaka, 2020) |
| 文献リストの順 | 引用順 | 著者名の五十音・アルファベット順 |
| 主な採用分野 | 医学・看護・自然科学 | 社会科学・人文科学 |
| 本文の読みやすさ | ◎(番号は目立たない) | △(括弧が目立つ) |
| 文献の特定しやすさ | △(番号だけでは分からない) | ◎(著者名で判別) |
本文の読みやすさの違い
バンクーバー方式は本文中の表記が短いため、本文が読みやすい。
「(1)」や上付き数字は、著者名と年号を含む「(Tanaka, 2020)」より圧倒的にコンパクトである。長文の論文で引用が多いとき、読みやすさで差が出る。
文献確認のしやすさの違い
ハーバード方式は本文中で著者と年が分かるため、文献の内容が予測しやすい。
バンクーバー方式では、本文中の「(1)」だけでは何の文献か分からず、文献リストを確認する必要がある。読み手が学術的な予備知識を持つ場合、ハーバード方式の方が読み進めやすい。
どんな分野でバンクーバー方式が使われるか
結論:バンクーバー方式は医学・看護・薬学・自然科学系で標準的に使われる。特に医学系の学術雑誌ではほぼ標準である。
バンクーバー方式が採用される分野を、具体的に整理する。
自分の分野がどちらに該当するかを判断するのに役立つ。
医学・看護・薬学系
医学・看護・薬学系の学術雑誌では、バンクーバー方式がほぼ標準である。
これはICMJE(医学雑誌編集者国際委員会)がバンクーバー方式を採用しているためで、世界中の医学系ジャーナルがこれに準拠する。看護学部・薬学部・医学部のレポートでバンクーバー方式が指定される理由もここにある。
学部の授業レポートから卒業論文、そして将来的な学術論文投稿まで、同じ方式で書き続ける必要がある。学部段階でしっかり習得しておくと、後の学術活動でも役立つ。
自然科学系(物理・化学・生物)
物理学・化学・生物学などの自然科学分野でも、バンクーバー方式が多く採用される。
ただし雑誌ごとの独自ルールも存在するため、学術雑誌に投稿する場合は投稿規定を必ず確認する必要がある。理系のレポートでは、バンクーバー方式が標準的な選択肢の一つとなる。
工学系
工学系ではIEEE(米国電気電子学会)などの独自書式が使われることが多いが、これもバンクーバー方式の一種である。
「引用順の番号方式」という点でバンクーバー方式と共通する。細かな書式ルールは学会・雑誌ごとに異なるが、基本的な考え方は同じである。
社会科学・人文科学系
社会科学・人文科学系ではハーバード方式が主流で、バンクーバー方式は少数派である。
心理学(APA形式)、経営学、社会学、教育学、法学、歴史学などでは、著者名と発行年で管理するハーバード方式の派生形式が多い。これは著者名・年号が学術的議論の中心となる分野の特性による。
バンクーバー方式の本文中の引用番号はどう書くか
結論:本文中の引用番号は「上付き数字・括弧書き・角括弧」の3パターンから選ぶ。1つのレポート内で必ず1つの表記に統一する。
本文中の引用番号の書き方を、3パターン整理する。
どの表記を選ぶかは分野の慣習と、教員・雑誌の指定によって決まる。
パターン1:上付き数字
上付き数字は最も一般的で、本文の視覚的な流れを妨げない。
例:「近年、〇〇の研究が進んでいる¹。」といった形。文字が小さく上に配置されるため、本文の読みやすさが保たれる。医学系ジャーナルで最も多く採用される形式である。
パターン2:括弧書き
括弧書きは「(1)」「(2)」のように括弧で番号を囲む形式である。
例:「近年、〇〇の研究が進んでいる(1)。」といった形。上付き数字より目立つが、Wordなどで手動入力しやすい。看護系レポートで採用されることが多い。
パターン3:角括弧
角括弧は「[1]」「[2]」のように角括弧で番号を囲む形式である。
例:「近年、〇〇の研究が進んでいる[1]。」といった形。工学系(特にIEEE形式)で多く採用される。丸括弧より視覚的にはっきりする。
番号の配置位置
番号は引用箇所の直後、句点の前または後ろに置くのが原則である。
日本語の慣習では「〜研究が進んでいる¹。」のように句点の前が多い。「〜研究が進んでいる。¹」のように句点の後に置く形式もある。分野の慣習に合わせて統一する。
バンクーバー方式の文献リストはどう書くか
結論:文献リストは番号順に並べ、「番号. 著者名. 論文タイトル. 雑誌名. 発行年;巻(号):ページ.」の書式で記述する。項目の順序と句読点の位置が特徴的である。
文献リストの書き方を、実務的に整理する。
細かな書式ミスが減点対象となるため、正確に押さえる。
文献リストの基本項目順
バンクーバー方式の文献リストの基本項目順は決まっている。
- 番号(引用順)
- 著者名(姓イニシャル形式)
- 論文タイトル
- 雑誌名(略称可)
- 発行年
- 巻(号)
- ページ範囲
記述例(雑誌論文)
雑誌論文の記述例は以下のようになる。
「1. 田中太郎, 山田花子. 高齢者の睡眠に関する研究. 日本看護学会誌. 2024;15(3):123-130.」といった形式。各項目の後にピリオドとスペースを置き、巻・号・ページはセミコロン・括弧・コロンで区切る。
各項目の区切りが「. 」「;」「(」「):」「-」「.」と細かく決まっているのがバンクーバー方式の特徴である。この記号の正確な使用が、書式の完成度を左右する。
著者名の書き方
著者名は「姓+スペース+名のイニシャル」の形式で記述するのが英語表記の標準である。
例:「Tanaka T, Yamada H.」といった形式。日本語の場合は「田中太郎, 山田花子」とフルネームで記載することが多い。共著者が6人を超える場合は、最初の3人+「et al.」または「ほか」で省略する。
雑誌名の略称
医学系ジャーナルでは、雑誌名を略称で記載するのが標準である。
「Journal of Nursing Science」を「J Nurs Sci」と略す。略称は PubMed の Journal Abbreviation Search などで確認できる。日本語雑誌は原則としてフルネームで記載する。
文献種別で書式はどう変わるか
結論:文献種別によって書式が変わる。「雑誌論文・書籍・書籍内の章・Webページ・学会発表」の5種別で扱いが異なる。
文献種別ごとの書式を、実務的に整理する。
間違いやすい細部を押さえる。
種別1:雑誌論文
雑誌論文は最も基本の形式で「著者名. 論文タイトル. 雑誌名. 年;巻(号):ページ.」で記述する。
例:「1. 田中太郎. 高齢者の睡眠に関する研究. 日本看護学会誌. 2024;15(3):123-130.」DOIがあれば末尾に追加する。
雑誌論文は最頻出の文献種別であり、この基本形式を身につけることが優先である。他の種別も、この基本形式からの変化として理解すると習得しやすい。
種別2:書籍
書籍は「著者名. 書名. 版数. 出版地: 出版社; 発行年.」の形式で記述する。
例:「2. 山田花子. 看護学入門. 第3版. 東京: 医学書院; 2024.」出版地と出版社の順序は「地名: 出版社;」となる点に注意する。
種別3:書籍内の章
書籍の一部の章を引用する場合は「章の著者名. 章タイトル. In: 書籍編者. 書名. 版数. 出版地: 出版社; 発行年. p.ページ範囲.」で記述する。
例:「3. 佐藤次郎. 高齢者ケアの実践. In: 山田花子編. 看護学入門. 第3版. 東京: 医学書院; 2024. p.45-67.」「In:」の記述が特徴的である。
種別4:Webページ
Webページは「著者名(または機関名). ページタイトル [Internet]. 発行地: 発行者; 年. URL(閲覧日).」で記述する。
例:「4. 厚生労働省. 令和6年国民健康調査 [Internet]. 東京: 厚生労働省; 2024. https://www.mhlw.go.jp/xxx (2026年7月19日閲覧).」「[Internet]」の記述で電子資料であることを明示する。
種別5:学会発表・会議録
学会発表は「発表者名. 発表タイトル. In: 会議名; 開催日; 開催地. 開催地: 主催者; 年.」で記述する。
例:「5. 鈴木三郎. 新型ケア技術の検討. In: 第30回日本看護学会; 2024年5月10日; 東京. 東京: 日本看護協会; 2024.」学会名と開催情報を含める点が特徴である。
同じ文献を複数箇所で引用するときのルールとは
結論:同じ文献を複数箇所で引用する場合、最初に付けた番号を再利用する。新しい番号は振らず、文献リストにも1回だけ載せる。
複数箇所引用のルールを整理する。
このルールを守らないと文献リストが混乱する。
同じ番号を再利用する原則
本文で同じ文献を再度引用する場合、最初に付けた番号をそのまま使う。
例えば1回目の引用で「(1)」を付けた文献は、後の箇所でも「(1)」で引用する。新しい番号「(5)」などを振ってはならない。文献リストにも1回だけ載せる。
連続する番号の書き方
同じ箇所で複数の文献を引用する場合、番号を並べる。
「(1, 2)」または「(1,2)」のようにカンマで区切る。連続した番号なら「(1-3)」とハイフンでまとめる形式もある。「(1, 3, 5)」のように飛ぶ番号はカンマ区切りにする。
3つ以上の連続番号は「(1-5)」のようにハイフンでまとめる方がすっきり読める。1つのレポート内でこの区切り方を統一するのが原則である。
ページ指定が必要な場合
同じ文献の異なるページを引用する場合は「(1: p.15)」「(1: p.42)」のようにページを添える。
これはハーバード方式では一般的な記述だが、バンクーバー方式でも採用される。文献リストでは1文献1エントリのままとする。
バンクーバー方式でよくあるミスとは
結論:バンクーバー方式のよくあるミスは「番号飛ばし・文献リスト順序ミス・書式不統一・重複記載・略称誤用・句読点ミス・Webアクセス日欠落・巻号記載ミス」の8つに分類できる。
実務で頻出するミスを、体系的に整理する。
提出前のセルフチェックに使える。
ミス1:番号飛ばし
本文中で「(1)、(2)、(4)」のように番号が飛ぶミスである。
執筆過程で文献を追加・削除するときに起きやすい。提出前に必ず本文中の全番号を連番でチェックする。
ミス2:文献リストの順序ミス
文献リストがハーバード方式の五十音順・アルファベット順で並んでいるミスである。
バンクーバー方式は必ず引用順に並べる。ハーバード方式に慣れた学生が間違いやすい。
本文の書き上げ段階で「文献1、文献2、文献3」と番号を確認しながら、その順序で文献リストを作成する。ハーバード方式の癖で無意識にアルファベット順にしてしまうことがあるため注意する。
ミス3:書式の不統一
1つのレポート内で「(1)」と「¹」が混在するミスである。
本文中の番号表記は必ず1つのパターンに統一する。上付き数字を使うと決めたら最後まで上付き数字を使う。
ミス4:同一文献の重複記載
同じ文献に異なる番号を振ってしまい、文献リストに2度以上載せるミスである。
再引用の際に前の番号を確認せず、新しい番号を振ってしまうケース。文献管理ソフトを使えば自動で防げる。
ミス5:略称の誤用
雑誌名の略称が正式でないミスである。
「J Nurs Sci」を「Journal Nurs Sci」など、勝手な略称にしてしまうケース。PubMedのJournal Abbreviation Searchで正式略称を確認する。
ミス6:句読点のミス
「;」「,」「.」「:」の使い方が間違っているミスである。
バンクーバー方式は句読点の位置が細かく決まっている。「2024;15(3):123-130.」の「;」「(」「):」「-」「.」を正確に守る。
句読点のミスは細かな指摘を受けやすい。全角と半角の混在も避ける。半角のセミコロン・コロン・ピリオドで統一するのが原則である。
ミス7:Web引用の閲覧日欠落
Web資料の引用で閲覧日を書き忘れるミスである。
紙資料と違ってWebは削除・変更されるため、閲覧日は必須である。「[Internet]」の記述と閲覧日は必ず含める。
ミス8:巻・号・ページの記載ミス
巻・号・ページの数字や区切り記号を間違えるミスである。
「15(3):123-130」の形式が標準だが「Vol.15, No.3, pp.123-130」と書いてしまうケースがある。バンクーバー方式では「Vol.」「No.」「pp.」は使わない。
これは英語圏の他の引用スタイル(APA、シカゴなど)と混同しやすい点である。バンクーバー方式は最も簡略化された記述を採用しているのが特徴で、数字と記号だけで済む。
Word・EndNote・Mendeleyでの自動化はどうするか
結論:文献管理ソフト(EndNote・Mendeley・Zotero)を使うと、バンクーバー方式の番号振りと文献リスト生成が自動化される。Word単体でも脚注機能で番号管理はできる。
ツールを使った自動化の方法を整理する。
手動での書式ミスを防ぐには、ツール活用が最も有効である。
EndNoteでの自動化
EndNoteは有料の文献管理ソフトで、Word連携が最も強力である。
「Vancouver」スタイルを選択すると、番号振りと文献リストが自動生成される。文献の追加・削除で番号も自動更新される。多くの医学系学部で有料契約されているケースが多い。
大学によっては学生に無料でEndNoteのライセンスが配布されている場合もある。まず自分の大学の図書館サイトで、無料利用可能かを確認するとよい。
Mendeley・Zoteroでの自動化
MendeleyとZoteroは無料で使える文献管理ソフトである。
両ソフトともバンクーバー方式に対応しており、Word・LibreOfficeで自動出力できる。学生ならまず無料のZoteroを試すのが推奨される。基本的な機能はEndNoteとほぼ同等である。
Word単体での対応
ツールを使わない場合、Wordの「脚注機能」または「クロスリファレンス」で番号を管理できる。
脚注番号を利用すれば、文献の追加・削除で番号が自動更新される。ただし文献リスト自体は手動で作成する必要がある。Wordの詳しい操作はレポートのWord使い方ガイドで扱っている。
バンクーバー方式とハーバード方式の使い分けはどう判断するか
結論:使い分けは「教員・雑誌の指定」「分野の慣習」「読み手の便宜」の3軸で判断する。指定がある場合はそれが最優先である。
方式を選ぶ判断基準を整理する。
3軸で優先順位が決まる。
軸1:教員・雑誌の指定
教員や投稿先の雑誌から方式指定がある場合、それが最優先となる。
シラバスや投稿規定に「バンクーバー方式で記述」と明記されている場合は、それに従う。自分の判断で他の方式に変更してはならない。
軸2:分野の慣習
指定がなければ、自分の分野の慣習に従う。
医学・看護・薬学・自然科学系ならバンクーバー方式、社会科学・人文科学系ならハーバード方式が無難な選択である。分野の主要雑誌がどちらを使っているかを確認するのも有効である。
軸3:読み手の便宜
読み手の便宜も判断軸となる。
引用が多く本文の読みやすさを重視するならバンクーバー方式、著者名と年号で文献を予測する読み手にはハーバード方式が向く。ただし、この軸は前2軸に優先しない。
どうしても書式が分からないときの対処
結論:大学図書館のレファレンスサービスに相談する、ライティング・センターに問い合わせる、代行サービスの参考資料を利用するなどの選択肢がある。
細かな書式で判断がつかない場合の対処を整理する。
優先度の高い順に3つの選択肢を紹介する。
選択肢1:大学図書館のレファレンス
大学図書館のレファレンスサービスは、引用書式について無料で相談できる。
大阪大学附属図書館、慶應義塾大学図書館、東京大学図書館などの主要大学では、対面またはオンラインで質問できる。バンクーバー方式の細かな書式もサポートしてくれる。
選択肢2:ライティング・センターに相談
ライティング・センターも書式相談の窓口として活用できる。
中央大学、東京大学、慶應義塾大学、早稲田大学などの主要大学に設置されている。引用書式だけでなく、レポート全体の構成も相談できる。
選択肢3:代行サービスの参考資料利用
時間が全くない場合、レポート代行サービスの「参考資料」として利用する選択肢もある。
業界標準の引用フォーマットで作成された成果物を参考に、自分のレポートの型として学ぶことができる。レポートビズのような法人型のサービスでは、レポート1,000字あたり3,300円〜で引用表記込みの完成形が納品される。公式LINEから匿名で無料相談ができるため、まずは相談から始めるのが安全な道となる。ただし、代行サービスを本文の丸ごと提出用として使うことには学業上のリスクがあるため、あくまで「参考資料」としての利用にとどめるべきである。
バンクーバー方式に関するよくある質問(FAQ)
バンクーバー方式に関して、多くの相談者から寄せられる質問をまとめた。
Q1. バンクーバー方式で著者が10人以上いる場合はどう書くか?
著者が7人以上いる場合は、最初の6人まで書いて残りは「et al.」または「ほか」で省略するのがICMJEの標準ルールである。
雑誌によっては「最初の3人まで」など独自ルールもあるため、投稿先の規定を確認する。学生レポートでは「6人+et al.」が最も無難である。
Q2. DOIやPubMed IDは記載すべきか?
DOIは記載を推奨、PubMed IDは任意である。
DOI(デジタルオブジェクト識別子)は「doi:10.xxxx/yyyy」の形式で末尾に追加する。読み手が文献にアクセスする際の利便性を高める。
Q3. 同じ番号を何度も引用してよいか?
同じ文献は何度でも同じ番号で引用できる。
むしろ同じ文献に新しい番号を振ることが禁じ手である。1つの文献に対して1つの番号を最後まで維持する。
Q4. Webページに著者名がない場合はどう書くか?
Webページに著者名がない場合、機関名や運営組織名を著者名として使う。
「厚生労働省」「日本看護協会」など、その情報を発信している組織名を書く。個人ブログなど組織が特定できないWebページは、学術引用の対象としては信頼性が低いため避けるのが安全である。
Q5. 引用が1つもないレポートは問題か?
大学レポートで引用が1つもないのは、参考文献に依拠していないと判断される可能性がある。
ただし引用が少ないこと自体は方式の問題ではない。引用量の適切なバランスについてはレポートが引用だらけになる問題で詳しく扱っている。
Q6. ハーバード方式と混在してもよいか?
1つのレポート内で方式の混在は絶対に避ける。
方式の混在は書式ミスとして減点対象になるだけでなく、レポート全体の統一感を大きく損なう。バンクーバー方式で始めたら最後まで貫く。
Q7. 参考文献の書き方全般はどこで学べるか?
参考文献の書き方の一般ルールは、方式に関係なく共通する部分がある。
本記事はバンクーバー方式に特化しているが、より広い参考文献ルールは参考文献の書き方ガイドで扱っている。図表引用はレポートのグラフ引用ガイド、動画引用はレポートの動画引用ガイドも参照してほしい。
まとめ|レポートのバンクーバー方式
レポートにおけるバンクーバー方式は、「本文中の引用順の番号と、その番号順に並べた文献リスト」という原則に集約される。
医学・看護・薬学・自然科学系のレポートで標準的に使われる方式であり、番号ルールと書式さえ押さえれば運用できる。文献管理ソフトを使えば、書式ミスも防げる。
- 定義:引用順の番号で管理する引用方式、医学系で国際標準
- ハーバード方式との違い:本文表記は番号(バンクーバー) vs 著者名・年(ハーバード)
- 採用分野:医学・看護・薬学・自然科学系
- 本文中の番号3パターン:上付き数字・括弧書き・角括弧
- 文献リスト書式:「番号. 著者名. タイトル. 雑誌名. 年;巻(号):ページ.」
- 文献種別5分類:雑誌論文・書籍・章・Web・学会発表
- 複数箇所引用:同じ番号を再利用、文献リストは1回だけ
- よくある8つのミス:番号飛ばし・順序ミス・書式不統一・重複・略称誤用・句読点・閲覧日欠落・巻号記載
- ツール活用:EndNote・Mendeley・Zoteroで自動化
より詳細な情報は、参考文献の書き方、レポートが引用だらけになる問題、レポートのグラフ引用ガイド、レポートの動画引用ガイド、Word使い方ガイドもあわせて参照してほしい。
それでもバンクーバー方式の書式や運用が難しい状況にある場合、レポートビズのような、業界標準の引用フォーマットで作成できる法人型のサービスに相談してみるのも1つの選択肢となる。公式LINEから匿名で無料相談ができるので、まずは状況を伝えて自分に合った選択肢を確認するところから始めるのが安全な道となる。
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