最終更新日:2026年8月12日
この記事でわかること
- 卒論アンケートの書き方の基本原則(明確・一義的・回答しやすい)
- 良い質問文と悪い質問文の対比例
- NG質問の6パターン(ダブルバーレル/誘導/専門用語/曖昧/否定形/長すぎ)
- 選択肢の書き方(網羅性・排他性・バランス)
- 質問順序の3段階設計(属性→本題→デリケート)
- 依頼文の構造(冒頭/中盤/結び)とテンプレート
- 卒論本文でのアンケート結果の書き方と推敲テクニック
執筆:レポートビズ編集部
2021年5月の開業以来、累計6,000件超のレポート・卒論作成の依頼に対応してきた編集チームが、卒論アンケートの書き方を業界内部の視点で体系的にまとめている。質問文・依頼文・結果の記述まで、実践的な書き方ガイドとして構築した。
「卒論アンケートの質問文をどう書けばよいか」「依頼文の書き方が分からない」——このキーワードで検索する人は、アンケート作成の実務に不安を抱える大学4年生である。
結論から言えば、卒論アンケートの書き方には「質問文」「選択肢」「依頼文」「結果記述」の4つの書き方がある。それぞれに型があり、NG例を避けて型に沿って書くことで、質の高いアンケートが作成できる。書き方の質が、そのままデータの質と卒論の説得力を決める。
上位の記事の多くは個別の書き方に留まり、体系的なガイドは限られている。本記事では、質問文の3条件、NGの6パターン、選択肢の書き方、質問順序、依頼文の型、結果の記述まで、実践的な書き方の全体像を整理する。
アンケートの書き方は、卒論調査の中でも最も技術的な要素である。一見些細に見える書き方の違いが、回答率と回答の質に大きく影響する。この技術的な精度を上げることで、卒論全体の実証性が高まる。
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卒論アンケートの書き方の基本原則
結論:質問文は「明確」「一義的」「回答しやすい」の3条件を満たすことが基本原則である。この3条件を守るだけで、質問文の質が大きく変わる。
まずは書き方の基本原則を整理する。この原則が、以降の質問文・選択肢・依頼文の書き方の土台となる。
条件1:明確であること
質問文は、誰が読んでも同じ意味に解釈できる明確さを持つ必要がある。
「よく」「たまに」「頻繁に」といった曖昧な副詞は、人によって解釈が異なる。「週に3回以上」「月に1回程度」といった具体的な表現に置き換えることで、明確さが確保できる。
この明確化は、集計時にも大きな効果を発揮する。曖昧な副詞での質問は、集計後に「〇〇と答えた人は何を基準にしたか」が不明となり、分析の信頼性が損なわれる。事前の明確化が、後の分析の質を保証する。
条件2:一義的であること
1つの質問で1つのことだけを聞く。複数の内容を1つの質問に詰め込まないようにする。
「〇〇は便利で使いやすいと思いますか」は、「便利さ」と「使いやすさ」という2つの内容を含む。回答者はどちらに答えるべきか迷う。1つずつ分けて質問する姿勢が重要である。
ダブルバレル質問は、卒論アンケートで最も多いミスの1つである。自分の質問文を読み返す時、「これは1つのことを聞いているか」を必ず確認したい。2つ以上の要素が含まれていたら、分割する。
条件3:回答しやすいこと
回答者が短時間で、迷わず答えられる質問文とする。長すぎる質問文や、考え込まないと答えられない質問は避ける。
質問文は原則1文で、30〜50文字以内が目安である。それ以上長い質問は、複雑さが増して回答者の離脱を招く。詳細は卒論のGoogleフォームもあわせて参照してほしい。
スマホで読むことを想定すると、質問文は特に短い方が良い。画面の狭いスマホでは、長い質問文はスクロールが必要となり、要点が把握しにくい。回答者体験を意識した長さ調整が重要である。
良い質問文と悪い質問文の対比
結論:良い質問文と悪い質問文の違いは「具体性」「中立性」「簡潔さ」の3点に集約される。悪い例を知ることで、自分の質問文の改善点が見える。
対比で学ぶことが、書き方の改善に最も有効である。良い例と悪い例を並べて整理する。
対比1:具体性の違い
悪い例:「あなたは運動をよくしますか」
良い例:「あなたは週に何回、30分以上の運動をしますか」
「よくする」の基準が人により異なる。頻度と時間を具体化することで、比較可能なデータが得られる。
対比2:中立性の違い
悪い例:「便利な〇〇について、あなたはどう思いますか」
良い例:「〇〇について、あなたはどの程度満足していますか」
「便利な」という形容詞が、既に肯定的な印象を与える。中立的な表現に置き換えることで、誘導性を排除できる。
対比3:簡潔さの違い
悪い例:「あなたは日々の生活の中で、健康を維持し、体力を向上させるために、どのような運動をどの程度行っていますか」
良い例:「週に何回、30分以上の運動をしますか」
長い前置きは不要である。核心を短く聞くことで、回答者の負担が下がる。必要最小限の文字数で、明確に問う姿勢が重要である。
NG質問の6パターン
結論:NG質問は「ダブルバーレル」「誘導質問」「専門用語」「曖昧な表現」「二重否定」「長すぎる質問」の6パターンに集約される。この6つを避けることで、質問文の質が保証される。
典型的なNGパターンを知ることで、自分の質問文を客観的にチェックできる。
NG1:ダブルバーレル質問
1つの質問に2つ以上の内容を含めるNGパターン。例:「〇〇は安くて美味しいと思いますか」。
「安さ」と「美味しさ」を分けて質問する必要がある。「〇〇の価格に満足していますか」「〇〇の味に満足していますか」と2問に分ける。
ダブルバーレル質問への回答は、集計時に解釈不能となる。「安いが不味いと感じる人」「高いが美味しいと感じる人」がどちらに投票したか分からず、データとして使えない。分割は面倒だが、必ず実施したい。
NG2:誘導質問
特定の回答に誘導するNGパターン。例:「多くの人が反対している〇〇について、あなたはどう思いますか」。
「多くの人が反対している」という前提が、回答者を反対の方向に誘導する。中立的に「〇〇について、あなたの意見をお聞かせください」とする。
誘導質問には、自覚のないものも多い。「素晴らしい〇〇について」「便利な△△について」といった修飾語が、既に誘導になっている。修飾語なしの中立表現を意識したい。
NG3:専門用語の使用
回答者が理解できない専門用語を使うNGパターン。例:「サステナビリティへの意識はありますか」。
専門用語は、一般の回答者には伝わらない。「環境への配慮を意識していますか」といった平易な表現に置き換える。
専門用語を使わざるを得ない場合は、質問文の中で簡単な説明を加えたい。「サステナビリティ(持続可能性)への意識はありますか」といった補足で、理解の齟齬を防げる。
NG4:曖昧な表現
解釈が人により異なる曖昧な表現を使うNGパターン。例:「時々〇〇しますか」「たくさん△△しますか」。
「時々」「たくさん」「よく」の基準は人により異なる。「週に1〜2回」「1日30分以上」といった具体的な表現に置き換える。
時間や頻度に関する曖昧表現は、卒論アンケートで最も多いミスの1つである。数値化できる質問は必ず数値化する。この徹底が、データの精度と分析の説得力を大きく高める。
NG5:二重否定
否定形を重ねて分かりにくくするNGパターン。例:「〇〇は不便ではないと思いませんか」。
二重否定は、読み手を混乱させる。「〇〇は便利だと思いますか」といった肯定形で聞く姿勢が求められる。
否定形自体も、可能な限り避けたい。「〇〇に不満はありますか」より「〇〇にどの程度満足していますか」の方が、答えやすい。肯定表現を軸に質問を組み立てる習慣が有効である。
NG6:長すぎる質問
1文が長すぎて要点が分かりにくいNGパターン。50文字を大きく超える質問文は要注意である。
長い質問文は、読むだけで疲れる。要点を絞り、30〜50文字以内で書く姿勢を持ちたい。前置きは説明文に回し、質問本体は短くする。
もし複雑な文脈の説明が必要な場合、質問文の前に「補足説明」として別途記載する。質問本体は「〇〇について、どう感じますか」のようにシンプルに保ち、補足で必要な情報を提供する構造にしたい。
選択肢の書き方
結論:選択肢は「網羅性」「排他性」「バランス」の3条件を満たす必要がある。この3条件が揃うことで、回答者が迷わずに答えられる。
選択肢の設計は、質問文と同じくらい重要である。3条件を整理する。
網羅性:全ての回答者に該当する選択肢を用意
回答者の全てが、いずれかの選択肢を選べる状態にする。「その他」「該当しない」の選択肢も必要に応じて追加する。
「あなたが利用するSNSは?」の選択肢に「使わない」がないと、SNSを使わない人が回答できない。全ての可能性をカバーする姿勢が重要である。
網羅性の確認方法として、「この質問に対して答えられない人はいないか」を自問したい。誰か1人でも「該当する選択肢がない」となる質問は、選択肢の見直しが必要である。
排他性:選択肢が重複しない
単一選択の質問では、選択肢同士が重複しないようにする。「20代」「20〜30代」といった重複は避ける。
年齢なら「20〜29歳」「30〜39歳」といった明確な区切りにする。回答者が「どちらを選ぶべきか」で迷う状態を作らない。
選択肢を作った後、必ず全選択肢を見比べて重複がないか確認する。特に年齢や頻度などの数値の区切りは、境界値(29歳・30歳など)の扱いに注意したい。
バランス:肯定と否定の選択肢を対称に
評価の選択肢では、肯定と否定を対称に配置する。5段階なら「非常に不満・不満・普通・満足・非常に満足」といった対称構造にする。
偏った選択肢配置(肯定4個・否定2個など)は、回答の偏りを生む。対称性が、公平な回答を引き出す基盤となる。
また、選択肢の順序も重要である。「非常に不満・不満・普通・満足・非常に満足」の順で並べるか、その逆順で並べるかで、回答傾向が微妙に変わる。分析時に統一できるよう、質問全体で並び順を統一したい。
質問順序の3段階設計
結論:質問順序は「属性→本題→デリケート」の3段階で設計する。この順序が、回答者の負担を最小化し、離脱を防ぐ。
質問の並び順が、回答完了率に大きく影響する。3段階の設計思想を整理する。
段階1:属性から始める
最初は年齢・性別・職業などの答えやすい属性から始める。回答のハードルを下げ、フォームに慣れてもらう。
いきなり難しい質問から始まると、回答者は圧迫感を覚える。属性は数秒で答えられるため、スムーズな導入となる。
ただし、属性の質問数も絞りたい。分析に本当に必要な属性(年齢・性別・職業など)のみを聞く。「趣味は?」「好きな色は?」といった、分析に関係ない属性は、たとえ楽な質問でも省略する。
段階2:本題の質問
属性の次に、卒論の核心となる本題の質問を配置する。回答者が最も集中している時に、重要な質問に答えてもらう。
本題は5〜10問程度に絞ることで、集中力が保たれる。多すぎる本題は、回答の質を下げる要因となる。
本題の並びも、答えやすいものから難しいものへの流れが理想である。「事実(〇〇の経験がある?)」→「頻度(どの程度?)」→「評価(満足度は?)」→「理由(なぜ?)」の順で並べると、回答者が段階的に深く考えられる。
段階3:デリケートな質問
収入や個人情報などのデリケートな質問は、最後に配置する。既に回答が進んでいれば、離脱しにくくなる。
「あと少しで終わり」の時点なら、デリケートな質問にも答えやすい。逆に、最初に配置すると、回答自体を辞める人が増える。
デリケートな質問は、可能な限り任意にしたい。「回答したくない」の選択肢を用意する、または必須設定をオフにすることで、回答者の負担を軽減できる。答えたくない質問に答えることを強制しないことが、信頼を保つ。
依頼文の書き方とテンプレート
結論:依頼文は「冒頭(挨拶・所属)」「中盤(目的・所要時間・匿名性)」「結び(連絡先・お礼)」の3部構造で書く。この構造で、回答者に必要な情報を漏れなく伝えられる。
依頼文は、回答者が最初に目にする文章である。ここで信頼を得られなければ、そもそも回答されない。
冒頭:挨拶と所属の明示
冒頭では、簡単な挨拶と、自分の所属(大学名・学部・学年)を明記する。書き手の身元が明確なことが、信頼の基盤となる。
例:「はじめまして。〇〇大学△△学部4年の××と申します。卒業論文の作成にあたり、アンケートへのご協力をお願いしております」といった冒頭が、丁寧かつ明確である。
大学生の卒論という文脈が伝わると、多くの人が同情的に協力してくれる。所属を明かすことは、匿名性を求める側とは矛盾しない。書き手が明確、回答者が匿名、という構造が学術調査の基本である。
中盤:目的・所要時間・匿名性
中盤では、アンケートの目的、所要時間、匿名性の保証を伝える。この3要素が、回答判断に必要な情報である。
「本アンケートは〇〇に関する研究のために実施しています。所要時間は約5分、回答は完全に匿名で処理され、卒業論文以外の目的では使用しません」といった記述が、標準的な中盤となる。
中盤で「回答期限」も明記しておくと、行動を促す効果がある。「〇月〇日までのご回答をお願いいたします」を含めることで、後回しにされにくくなる。締切効果を狙う実務的な工夫である。
結び:連絡先とお礼
結びでは、質問がある場合の連絡先と、協力へのお礼を記載する。丁寧な結びが、回答者への敬意を示す。
「ご不明な点がございましたら、〇〇@×××までご連絡ください。ご協力よろしくお願いいたします」といった結びで、依頼文が完成する。
連絡先は、大学のメールアドレスを使うと信頼性が高まる。プライベートなメールアドレスは、身元確認の観点で信頼性が落ちる。可能な限り、大学ドメインのメールを使いたい。
卒論本文でのアンケート結果の書き方
結論:卒論本文では「調査概要→結果の記述→分析→限界」の4段階で書く。この構造が、学術論文として求められる書き方となる。
アンケート結果の書き方が、卒論の説得力を決める。4段階を整理する。
段階1:調査概要の記述
まず、調査の対象者・実施期間・回答数・回答方法を明記する。読者が調査の性質を把握できるようにする。
例:「本調査は2026年〇月〇日から〇月〇日まで、Googleフォームを用いて実施した。対象は△△であり、有効回答数は120件であった」といった記述となる。詳細は卒論の調査もあわせて参照してほしい。
「有効回答数」と「総回答数」は区別する。無効回答(不完全な回答・重複回答等)を除外した数を「有効回答数」として明記する。この記述の丁寧さが、卒論の学術的厳密さを示す。
段階2:結果の記述
グラフや表を提示しつつ、結果を客観的に記述する。この段階では、解釈は含めない。
「〇〇について『満足』と回答した割合は45%、『不満』は20%であった」といった、事実の記述に留める。数値を正確に、簡潔に伝える姿勢が求められる。
結果の記述では、グラフや表への言及も必ず入れたい。「表1に示すように」「図2から明らかなように」といった表現で、視覚的な情報と文章を結びつける。この結びつけが、読者の理解を助ける。
段階3〜4:分析と限界
結果の解釈・先行研究との比較、そして調査の限界(サンプル数・対象者の偏り)を正直に記述する。
「この結果は〇〇を示唆する」といった分析と、「本調査はサンプル数が限定的である」といった限界の言及の両方が、学術論文としての誠実さを示す。詳細は卒論のデータ活用を参照してほしい。
限界の言及は、教員からの評価を下げるのではなく、逆に上げる。「客観的で自己批判的な姿勢」として評価される。強気に一般化するより、慎重に限界を認めた記述の方が、学術的な信頼を得られる。
推敲のテクニック
結論:推敲は「自分での読み返し」「第三者チェック」「試行調査」の3段階で行う。この3段階で、質問文と依頼文の質が飛躍的に向上する。
初稿のまま公開すると、必ず問題が発生する。推敲のプロセスを丁寧に踏みたい。
段階1:自分での読み返し
書いた翌日など、時間を空けて読み返す。時間を置くことで、客観的に見直せる。
書いた直後は、自分の意図と実際の文面のズレに気付きにくい。1日以上空けてから読み返すことで、他者の視点で読める。
段階2:第三者チェック
友人や家族に、実際に回答してもらう。分かりにくい質問や、答えにくい選択肢が発見できる。
「この質問はどういう意味?」と聞かれた質問は、書き直しが必要である。他者の目が、質問文の欠陥を最も効率的に見つける。
第三者チェックの依頼相手は、研究テーマの専門家ではなく、一般の人が望ましい。専門家は前提知識で補正して読んでしまうため、一般人の視点でこそ、真の分かりにくさが見える。
段階3:試行調査(パイロット)
5〜10人程度で試行調査を行い、実際の回答パターンを確認する。想定外の回答があれば、本調査前に修正する。
試行調査で発見される問題の8割は、本調査を実施していれば取り返しがつかないものである。この段階を省略せずに、必ず実施したい。
試行調査の依頼は、身近な人(友人・後輩・家族)で構わない。「分かりにくいところを教えてほしい」と伝え、回答後にフィードバックをもらう。この短時間の作業が、本調査の成功を大きく左右する。
卒論アンケートの書き方に関するよくある質問(FAQ)
アンケートの書き方について、よく寄せられる質問を7つに整理した。
Q1. 質問数は何問が理想ですか?
10〜20問が理想である。属性3〜5問、本題5〜10問、自由記述1〜2問という配分がバランス良い。
30問を超えると、回答完了率が大きく下がる。所要時間5〜10分を目安に、質問数を調整したい。
質問数を減らす時は、「その質問がなくても卒論は書けるか」を自問する。書けるなら削除する。全ての質問を残したい気持ちを抑え、必要最小限に絞る勇気が、良質なアンケートを作る。
Q2. 5段階評価と7段階評価、どちらが良いですか?
5段階評価が標準である。より細かい差を捉えたい時のみ7段階を検討する。
5段階なら回答者の判断が容易で、集計も分かりやすい。7段階は分析の粒度が上がるが、回答者の負担も増える。
3段階(不満・普通・満足)は簡易すぎて、微妙な差を捉えられない。逆に9段階は細かすぎて、回答者が判断に迷う。5段階が「回答のしやすさ」と「情報の細やかさ」のバランスとして、最も優れている。
Q3. 「その他」の選択肢は必要ですか?
選択肢が網羅的でない場合、「その他(自由記述)」を追加する。ただし、多用は避けたい。
「その他」を選ぶ回答者が多い質問は、選択肢が不足している証拠である。試行調査で「その他」が多い質問は、選択肢の見直しが必要である。
「その他」の自由記述欄からは、想定外の回答パターンが見えてくる。この情報は、本調査時の選択肢の充実化に活用できる。試行調査を怠らない姿勢が、良質なアンケートを作る。
Q4. 自由記述はどのくらい入れるべきですか?
1〜2問に絞りたい。自由記述が多いと、回答者の負担が大きく、離脱の原因となる。
自由記述は、質的な情報を得たい時のみに使う。「その他ご意見があればお書きください」といった任意の自由記述を1問入れるのが、標準的な使い方である。
自由記述の分析は時間がかかる。100件の自由記述を読み込むだけで、数時間を要する。集計時の負担も考慮した上で、自由記述の数を決めたい。1〜2問に絞る理由は、この分析コストの観点でもある。
Q5. 依頼文の長さはどのくらいが適切ですか?
200〜300文字程度が目安である。冒頭・中盤・結びで、各100文字程度を配分する。
長すぎる依頼文は読まれない。短すぎると必要な情報が不足する。3要素(目的・時間・匿名性)を含みつつ、簡潔にまとめる姿勢が求められる。
依頼文で最も避けたいのは、「〇〇していただけますと幸いです」のような回りくどい敬語表現の連続である。丁寧さは大切だが、簡潔さも同じくらい大切である。「〇〇にご協力ください」の直接的な表現が、実は最も伝わる。
Q6. 「はい/いいえ」だけの質問は避けるべきですか?
ケースによる。事実確認なら「はい/いいえ」で問題ないが、意見や程度を聞くなら5段階評価が良い。
「〇〇の経験がある/ない」といった事実は2択で十分である。「〇〇に賛成/反対」は程度が分からないため、5段階の方が情報が豊かになる。
2択と5段階を組み合わせる方法も有効である。まず「経験あるか」を2択で聞き、経験ありの人にだけ「満足度」を5段階で聞く、といった分岐設計により、必要な情報を的確に集められる。
Q7. 質問順序を後から変更してもよいですか?
回答受付前なら自由に変更できる。ただし、公開後の変更は、それまでの回答との整合性が取れなくなるため避けたい。
試行調査の結果を踏まえた変更は、本調査前に済ませたい。本調査開始後は、質問文や順序の変更は基本的にしない姿勢が求められる。
もし本調査開始後に致命的な問題が見つかった場合、それまでの回答を破棄して、修正版で調査をやり直す判断も必要となる。ただし、この事態を避けるためにも、試行調査を丁寧に行いたい。
まとめ|書き方の質が、データの質を決める
卒論アンケートの書き方は、質問文の3条件(明確・一義的・回答しやすい)、選択肢の3条件(網羅性・排他性・バランス)、依頼文の3部構造(冒頭・中盤・結び)を守ることが基本である。書き方の質が、そのままデータの質と卒論の説得力を決める。
本記事で提示した質問文の型、NGの6パターン、選択肢の書き方、質問順序、依頼文のテンプレート、結果の記述、推敲のテクニックを踏まえれば、質の高いアンケートが作成できる。丁寧な書き方が、回答率を上げ、良質なデータを引き出す。
- 質問文の3条件は「明確・一義的・回答しやすい」
- NG質問6パターンは「ダブルバーレル・誘導・専門用語・曖昧・二重否定・長すぎ」
- 選択肢の3条件は「網羅性・排他性・バランス」
- 質問順序は「属性→本題→デリケート」の3段階で設計する
- 依頼文は「冒頭(挨拶)・中盤(目的・時間・匿名性)・結び(連絡先・お礼)」の3部構造
- 結果の記述は「調査概要→結果→分析→限界」の4段階で構成する
- 推敲は「自分での読み返し・第三者チェック・試行調査」の3段階で行う
- 書き方の質は回答率と分析の質に直結する重要な要素である
より詳細な情報は、卒論のGoogleフォーム、卒論の調査、卒論のデータ活用、卒論の章別構成もあわせて参照してほしい。
質問文の設計や依頼文の書き方に不安が残る場合、参考資料としての外部活用も選択肢となる。レポートビズのような、卒論の参考資料作成を請け負う業者に相談してみるのも1つの道である。公式LINEから匿名で無料相談ができるので、まずは現状の相談から始めるのが安全な出発点となる。
ただし、外部の作成物をそのまま提出することは大学の学則違反となる。あくまで参考資料として活用し、最終的な卒論は自分の言葉と自分の考察で仕上げるという原則は守りたい。書き方の一手間が、卒論全体の質を左右する。丁寧な書き方で、価値あるアンケート調査を実施していってほしい。
最後に伝えたいのは、「書き方は技術である」ということである。生まれつきの才能ではなく、学べば身につく技術である。本記事で紹介した型を意識して、質問文や依頼文を1つずつ丁寧に書いていけば、必ず質が上がる。焦らず、丁寧に、繰り返し推敲する姿勢が、良質なアンケートを生む。
質問文1つ1つの書き方、選択肢の一つ一つの並び、依頼文の言葉遣い——こうした細部への配慮の積み重ねが、卒論の実証性を支える基盤となる。細部を疎かにせず、丁寧に書き上げる姿勢が、価値ある調査を生む出発点である。書き方に自信を持てるようになれば、卒業後の仕事でも大いに役立つスキルとなる。ビジネスの現場でも、アンケートやフォームを扱う機会は多い。卒論での経験が、社会に出てからの財産にもなる。丁寧な書き方を身につけることは、長期的な投資となる。応援している。良質な卒論を、丁寧に書き上げていってほしい。書き方の質は、必ず結果に返ってくる。この事実を信じて、日々の執筆に取り組んでいってほしい。書き方の一つ一つが、卒論全体を良質なものにする。細部にこそ、卒論の価値が宿るのである。この視点を大切にしてほしい。書き方は、書き手の姿勢そのものである。
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