卒論発表7分の構成テンプレ|10スライド完全ガイド

「卒論発表の持ち時間が7分と言われた」「7分で何を、どう話せばいいのか分からない」「7分でどれくらいのスライド枚数が適切か」——卒論発表の時間指定は大学によって異なるが、「7分」は比較的多い時間設定である。5分は要点だけで簡潔すぎ、10分だと余裕がある、そんな微妙な7分の設計に悩む学生が多い。上位競合には発表全般の解説記事は多いが、7分特化の完全ガイドは業界に少ない。

本記事では、累計6,000件超の卒業論文・レポート添削を手がけてきたレポートビズ編集部の視点から、7分発表の完全構成テンプレ、10スライド詳細解説、7分で伝わる話し方、発表原稿テンプレート、時間オーバー・時間余りの対処法、7分発表の練習法5ステップ、よくある3大失敗パターン、質疑応答対策、分野別のコツ、7分の壁を突破する3視点までを体系的に整理する。この記事を読み終える頃には、自分の7分発表の設計図が完成する。

本記事の特徴は、7分という時間制約に対して「数値ベースの設計」を提示している点にある。「なんとなく7分に収める」ではなく「1分300字×7分=2,100字」「1スライド42秒×10枚」といった具体的な数値で設計することで、初めての発表でも時間内に収まる確率が飛躍的に高まる。発表準備は「才能」ではなく「設計と練習」の産物である。数値目安を頭に入れ、練習を10回積むことで、誰でも質の高い7分発表を実現できる。

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卒論発表7分|結論と全体像

結論から述べる。7分発表は「10スライド」「1分あたり300字」「1枚あたり40秒」が基本の設計値である。7分×60秒=420秒を10スライドで割ると、1スライドあたり平均42秒。話す文字数は1分あたり300字が聞き取りやすい速度なので、7分×300字=2,100字の原稿が目安となる。この数値を頭に入れて設計する。

7分は「短すぎず長すぎず」の絶妙な時間設定である。5分だと要点を絞り込む苦しさがあり、10分だと聴衆の集中力が持ちにくい。7分は「必要な情報を要点のみで伝える」ことができる、卒論発表として最も練られたバランスと言える。ただしその分、時間配分の設計を誤ると、途中で慌てて早口になる、または最後まで到達できないといった事態が起きやすい。

本記事では、7分に最適化された10スライドの構成、各スライドの役割、原稿の作り方、練習法、失敗パターンまで段階的に提示する。総合的な卒論発表パワポの作り方は別記事「卒論発表のパワポ構成テンプレ|時間別5型と10原則」で解説しているので、必要に応じて併読してほしい。

7分発表の完全構成テンプレ|10スライド

7分発表に最適化された10スライド構成を提示する。各スライドの役割と所要時間を明示する。この構成をベースに、自分の研究内容を当てはめる。時間指定がない大学の場合でも、10スライド構成は他の時間帯にも応用できる基本形である。

1枚目|表紙(20秒)|発表タイトル、氏名、所属、指導教員名、発表日。「◯◯について発表いたします」の導入。
2枚目|目次または研究背景(30秒)|目次を省略して背景から入るのも可。「近年、◯◯が注目されている」の導入。
3枚目|問題提起(40秒)|背景から浮かび上がる問題を明示。「しかし、◯◯については明らかでない」
4枚目|研究目的(30秒)|問題を解決する研究目的を1文で。「本研究の目的は〜を明らかにすることである」
5枚目|先行研究とリサーチギャップ(60秒)|関連する先行研究を整理し、本研究の新規性を明示。「◯氏(2020)は◯を指摘したが、△については未検討である」
6枚目|研究方法(50秒)|データ収集、分析方法、対象を説明。「本研究では◯人へのインタビューを行った」
7枚目|結果1(60秒)|主要な結果を1つ提示。図表を中心に。
8枚目|結果2(50秒)|補足的な結果や追加分析。
9枚目|考察(50秒)|結果の解釈、先行研究との対比、理論的示唆。
10枚目|結論・今後の課題(30秒)|研究成果の要約、研究の意義、今後の課題。「ご清聴ありがとうございました」で締める。

合計時間は420秒(7分)ぴったり。ただし実際の発表では、原稿の読み上げより30秒〜1分程度長くなる傾向があるため、練習では6分30秒で終わる想定で作る方が安全である。時間オーバーは減点対象になる大学も多いため、余裕を持った設計が実務的である。

10スライドの中で、初学者が特に注意すべきは5枚目(先行研究とリサーチギャップ)である。60秒という比較的長めの時間を配分しているが、実際には多くの学生がここで時間オーバーしがちである。先行研究を紹介したくなる気持ちは分かるが、7分発表では「主要な研究者を2〜3人紹介し、リサーチギャップを明示する」の要点に絞る。詳細は質疑応答またはバックスライドに譲る。このスライドで時間を使いすぎると、後の結果・考察の時間が圧迫される。「先行研究の紹介ではなく、本研究の位置づけの説明」という視点で作ることが実務的である。

10スライドの詳細|各スライドの役割

10スライドそれぞれの詳細な役割を整理する。この理解が、伝わる7分発表の基盤となる。以下、4区分に分けて見ていく。

1〜4枚目|序論部(全体の17%、約2分)

聴衆に「なぜこの研究が必要か」を理解させる部分。表紙で自己紹介、背景で問題意識、問題提起で研究の必要性、目的で本研究のゴールを明示する。ここで聴衆の関心を掴めるかが、その後の発表の受け止め方を決める。

5〜6枚目|準備部(全体の26%、約2分)

研究の学術的位置づけと方法論を説明する部分。先行研究で「これまで何が分かっていて何が分かっていないか」を示し、方法論で「どうやって答えを出したか」を説明する。この部分がしっかりしていると、後の結果の信頼性が上がる。

7〜9枚目|本論部(全体の38%、約3分)

研究の中核部分。結果と考察を提示する。7分発表の中で最も時間を割く部分。図表を中心に「何が分かったか」「それが何を意味するか」を論じる。ここが薄いと、卒論全体の中身がない印象を与える。

10枚目|結論部(全体の7%、30秒)

研究の結論を明確に示し、意義と今後の課題を提示する。「研究目的への答え」を明示することで、発表全体が締まる。時間が短いので、要点のみ簡潔に。

4区分の中で最も分量を割くべきは本論部(7〜9枚目)である。序論部と準備部が長くなりすぎると、本論の時間が削られ、研究の中身が伝わらない。「序論2分、準備2分、本論3分、結論30秒」のバランスを意識する。

7分で伝わる話し方|数値の目安

7分間で聴衆に伝わる話し方の数値目安を整理する。この数値を頭に入れることで、原稿設計が科学的になる。感覚ではなく数値で設計するのが実務的である。

話す速度|1分あたり300字が目安|日常会話は1分400字前後だが、発表では300字が聞き取りやすい。ゆっくり明瞭に話す。
原稿分量|7分×300字=2,100字|原稿の総文字数の目安。この分量なら7分で話し切れる。
1スライド1メッセージ|42秒×10枚|1枚あたり平均42秒。1枚に主張を1つに絞る。
間の取り方|1文ごとに1〜2秒|文の区切りで一拍おく。聴衆が理解する時間を作る。
強調ポイント|3〜5回|「特に重要なのは」「ここが本研究の核心です」といった強調は3〜5回にとどめる。多用すると強調効果が薄れる。

これらの数値を無視して原稿を作ると、時間内に収まらない、聞き取りにくい、単調になるといった失敗が生じる。数値を意識して設計することで、7分という制約の中で最大限伝わる発表になる。

数値目安の中でも特に重要なのは「1分あたり300字」である。日常会話の速度(1分400字前後)で発表すると、聴衆は情報を処理しきれない。専門的な内容ほど、聴衆は理解に時間を要する。「ゆっくり明瞭に話す」ことは、話者の負担ではなく、聴衆への配慮である。1分300字を体感で身につけるには、事前に自分の声を録音して、1分間で何字話しているかを実際に計測する。多くの学生は自分の話す速度が速いことに気づいていない。「もう少しゆっくり」と意識するだけで、聴衆の理解度が大きく上がる。

7分発表原稿のテンプレート

7分発表用の原稿テンプレートを提示する。カッコ内を自分の研究内容に置き換えて使う。実際に原稿を書き起こしてから、時間を計測して微調整する。

1枚目|表紙|「◯◯学部の◯◯です。本日は『◯◯研究のタイトル』についてご発表いたします」
2枚目|背景|「近年、◯◯の分野で△△が注目されています。特に◯◯という現象は◯◯業界において重要な意味を持ちます」
3枚目|問題提起|「しかし、◯◯については既存研究で十分に検討されていません。この問題を明らかにすることは、◯◯にとって重要です」
4枚目|研究目的|「そこで本研究の目的は、◯◯について、△△を用いて、◯◯を明らかにすることです」
5枚目|先行研究|「先行研究として、◯氏(2020)は◯を指摘しています。また◯氏(2022)は△を明らかにしています。しかし、◯については未検討です。本研究はこの点に着目します」
6枚目|方法|「本研究では、◯人を対象に△△を実施しました。分析方法は◯◯です」
7枚目|結果1|「まず主要な結果として、◯◯が明らかになりました。図1をご覧ください。◯◯を示しています」
8枚目|結果2|「次に、◯◯についても分析しました。図2に示すように、◯◯という傾向が見られます」
9枚目|考察|「これらの結果から、◯◯が言えます。先行研究の◯氏の議論と比較すると、本研究は△という点で貢献しています」
10枚目|結論|「まとめると、本研究は◯を明らかにしました。今後の課題は△です。ご清聴ありがとうございました」

このテンプレートの各スライドを、実際の内容で埋めて総文字数を確認する。2,100字前後に収まっていれば、7分で話しきれる可能性が高い。超えている場合は削り、少なすぎる場合は補足を追加する。

時間オーバー・時間余り|対処法

練習で時間オーバーまたは時間余りが発生した時の対処法を整理する。

時間オーバーの対処法5選

①原稿を削る|1文あたり40〜50字の短い文にする。冗長な表現を削除。
②序論を短くする|背景説明を1〜2文に絞る。詳細は本論に譲る。
③重複を排除|「先ほど述べたように」といった振り返りは削除。時間の無駄。
④スライドを1枚統合|10枚を9枚に減らして時間を圧縮。ただし内容の重複が前提。
⑤話す速度を上げる|最終手段。1分400字まで上げると聞き取りにくくなる。

時間余りの対処法5選

①具体例を追加|「例えば〜」で具体的な事例を加える。
②図表の説明を厚く|図の見方、意味を丁寧に説明。
③考察を深める|「これは何を意味するか」を追加。
④先行研究との対比を強調|「◯氏の議論と比べると〜」で厚みを増す。
⑤ゆっくり話す|時間余りが1分以内なら、話す速度を落として調整。

時間オーバーは減点対象、時間余りは印象が薄いため、どちらも避けたい。練習で時間を計測して、7分±10秒に収まるまで調整する。1回で完璧を目指さず、複数回の練習で微調整する姿勢が実務的である。

時間調整の実務的なコツとして、「原稿を3段階の詳細度で持つ」ことを推奨する。基本原稿(2,100字)、詳細版(2,400字)、要約版(1,800字)の3種類を準備する。本番前の練習で時間を計測して、時間オーバー気味なら要約版に、時間余り気味なら詳細版に切り替える。1つの原稿を無理に伸ばしたり縮めたりするより、3段階で用意しておく方が、本番での柔軟な対応ができる。特に発表会場の雰囲気(聴衆の反応が薄い、進行が押している等)によって、話す速度が変わることがある。その状況変化に3段階原稿で対応することで、時間ぴったりに収まる確率が上がる。

7分発表の練習法|5ステップ

7分発表を仕上げるための練習5ステップを整理する。順を追って進めれば、本番に自信を持って臨める。

ステップ①|原稿を書き上げる(所要2〜3時間)|2,100字前後の原稿を作成。スライドと対応させる。
ステップ②|1回目の音読(所要10分)|時計を見ながら音読。時間を計測して現状把握。
ステップ③|時間調整(所要1〜2時間)|オーバーまたは余りを修正。原稿を練り直す。
ステップ④|通し練習(3〜5回、所要1時間)|実際にスライドをめくりながら発表練習。時間・スムーズさを確認。
ステップ⑤|他者に聞いてもらう(1〜2回)|指導教員、研究室の同期、家族に発表を聞いてもらう。フィードバックを反映。

合計練習時間は5〜10時間が目安。本番当日にいきなり練習では絶対に間に合わない。発表1週間前までには原稿を完成させ、当日までに10回以上の通し練習を積む。「時間が7分ぴったりに収まる」「原稿を見なくてもスライドを見ながら話せる」レベルまで到達すれば、本番は安心である。

練習の質を上げる実務的なコツとして、「録画して自分の発表を客観的に見る」ことを推奨する。スマートフォンで自分の発表を録画し、後で再生する。話すスピード、声の大きさ、体の動き、視線の使い方——これらを自分の目で確認すると、意識せずに癖として出ている問題点が発見できる。「早口すぎる」「原稿を読みすぎ」「体が固い」といった課題が明確になれば、修正の方向性も見えてくる。録画は恥ずかしい作業だが、この作業を1〜2回するだけで、発表の質が飛躍的に上がる。人前に立つ機会が少ない学生ほど、この客観視の時間投資が有効である。

7分発表でよくある|3大失敗パターン

7分発表で頻出する3つの失敗パターンを整理する。事前に知っておくと予防できる。多くの学生が同じ失敗を繰り返しているため、他山の石として学びたい。

失敗①|序論に時間を使いすぎる

研究背景を丁寧に説明しすぎて、序論だけで3分以上使うパターン。結果、本論と考察の時間が削られ、卒論の中身が伝わらない。序論は全体の20%(1分半)以内に収める意識が必要。

失敗②|途中で早口になる

時間が押していることに気づいて、後半に急に早口になるパターン。聴衆は聞き取れず、内容が伝わらない。原因は時間配分の練習不足。事前の練習で時間感覚を身につけることで予防できる。

失敗③|結論があいまい

時間が押した結果、最後の結論が「本研究では〜を検討しました」で終わってしまうパターン。「本研究の答えは◯◯である」と明確な結論を示さないと、聴衆に何が伝えたかったか残らない。結論は最も明確に伝える意識が必要。

3大失敗パターンの根本原因は「時間配分の練習不足」である。数値(1分300字、1スライド42秒)を意識した練習を積むだけで、大半の失敗は予防できる。

3大失敗の中でも、失敗①(序論に時間を使いすぎる)は最も対処しやすいパターンである。序論のスライド枚数を4枚から3枚に減らす、各スライドの説明時間を短くする、といった構造的な対応で予防できる。逆に、失敗②(早口)と失敗③(あいまいな結論)は本番の緊張状態で起きる問題で、練習でも見えにくい。事前対策としては、通し練習の最後に必ず「結論だけを声に出して練習する」時間を作る。結論を暗記に近いレベルで身につけておくと、本番で時間が押しても、結論だけは明確に伝えられる。「最悪でも結論は伝える」の姿勢が、卒論発表の印象を最終的に決める。

7分発表の質疑応答|対策

7分発表の後には通常3〜5分の質疑応答が続く。7分特有の質疑応答対策を整理する。準備次第で発表全体の評価が大きく変わる工程である。

7分発表の質疑応答で多いのは「省略された部分」への質問である。時間の制約で本編で扱えなかった詳細を、質疑応答で聞かれる。「◯◯についてはどう考えるか」「なぜこの方法を選んだのか」「別の解釈はないか」といった質問が典型的。この予測を立てておくと、質疑応答の準備がしやすい。

実務的な対策として、10スライドの本編とは別に、10〜15枚のバックスライド(補足スライド)を用意することを推奨する。「詳細データ」「分析の追加パターン」「先行研究の詳細」「限界と課題」などを準備。質問された時に「バックスライドをご覧ください」と呼び出せると、準備の深さが伝わり評価が上がる。バックスライドは発表本編では表示されず、質疑応答時のみ活用する非公開資料である。

質疑応答で完璧な回答を目指す必要はない。「良い質問をありがとうございます。実は本研究では〜という限界があり、それが今後の課題です」と、正直に限界を認める姿勢が評価される場合も多い。むしろ「全ての質問に完璧に答える」姿勢は「研究の限界を認識していない」と見られる可能性もある。学術研究には常に限界があり、それを認識した上で研究の意義を示す姿勢が、成熟した研究者の態度である。分からない質問には「勉強不足で申し訳ありません、今後の検討課題とさせていただきます」と正直に答える方が、無理に取り繕うより印象が良い。

分野別|7分発表のコツ

分野によって7分発表の重心が異なる。4分野別のコツを整理する。自分の分野に合わせて微調整することで、教員に受けやすい発表になる。

文系(社会学・文学・歴史学など)

先行研究と理論枠組みの説明を厚めに。ただし7分では詳細に立ち入れないので「◯氏の理論に基づく」といった要点のみ言及。結果は具体例を1〜2つに絞って提示。

理系実験系(化学・生物・工学など)

実験装置図、実験条件、結果グラフを中心に。数値データはスライドに載せて口頭では要点のみ。「1枚のスライドで1つの結果」を徹底。

理系理論系(数学・物理理論・情報工学など)

数式・アルゴリズムを絞って提示。7分では厳密な証明の展開は難しいので、「証明の要点」に絞る。理論の全体像を図式化するスライドが有効。

フィールド調査系(社会学・文化人類学など)

調査地の写真、インタビュー引用を効果的に使う。「フィールドの実感」を7分で伝えるための工夫が重要。写真1枚で状況を語らせる。

自分の分野の慣行を、指導教員と同じ研究室の先輩の発表を参考にして把握する。分野特性に合わない発表構成は、内容が良くても評価が下がる。

7分の壁を突破する|3つの視点

7分という時間制約の中で、印象に残る発表にするための3つの視点を整理する。技術的なテンプレを超えた、発表の質を上げる視点である。

視点①|1枚1メッセージ徹底|1スライドに複数のメッセージを詰め込むと、聴衆の理解が浅くなる。1枚1メッセージで、10メッセージを7分で伝える設計。
視点②|強調ポイントを絞る|「これが本研究の最重要ポイントです」といった強調を1〜2箇所に絞る。多用すると印象が薄れる。
視点③|結論を最初と最後に|序論で「本研究では◯を明らかにする」と目的を明示し、結論で「本研究は◯を明らかにした」と対応させる。冒頭と締めの一貫性が印象を強める。

3つの視点は、7分の制約を「弱点」ではなく「集中の機会」に変える発想である。時間が長ければ何でも伝えられるわけではなく、逆に短時間の方が要点を絞る集中力が高まる。7分の制約を活かした設計が、質の高い発表を生む。

3視点を実践する上で意識したいのは、「聴衆の視点」である。7分間集中して話を聞くのは、聴衆にとっても集中を要する行為である。冒頭で「本研究の主張はこうです」と結論の方向性を先に示すと、聴衆はその後の話を「結論に向かう論証」として聞ける。逆に「結論は最後まで明かさない」構成だと、聴衆は迷子になりやすい。学術発表は謎解きミステリではなく、結論への論証プロセスである。冒頭で「これから何を明らかにするか」を明示し、結論で「実際に明らかになったこと」を対応させる構造が、7分間の集中を持続させるコツである。

それでも判断に迷う場合の選択肢

7分発表の構成で判断に迷う場合の選択肢を3つ提示する。

①指導教員に完成前に見せる|完成前のスライドと原稿を指導教員に見せて、内容と時間配分のフィードバックを受ける。
②研究室の先輩の発表スライドを参照|同じ研究室の過去の7分発表スライドがあれば、参考にする。分野の慣行が把握できる。
③第三者の添削でチェック|自分の発表スライドと原稿を第三者にチェックしてもらう。レポートビズでは、累計6,000件超の指導実績をもとに、参考資料としての卒論の内容・発表構成チェックを提供している。公式LINEには1,700名超が登録しており、24時間相談を受け付けている。

よくある質問|FAQ

Q1|7分発表のスライド枚数は何枚が最適ですか

10枚が標準的な目安。7分×60秒=420秒を10で割ると、1枚42秒。ただし内容の重要度で枚数は調整可。文系なら8〜10枚、理系なら10〜12枚のケースもある。

Q2|7分で話す原稿の文字数は

2,100字前後が目安。1分300字×7分=2,100字。ただし話す速度は個人差があるため、事前に自分の話す速度を計測して調整する。

Q3|時間オーバーはどれくらい許されますか

大学・分野による。厳密な大学では時間オーバーで発表を止められる場合もある。基本は7分±10秒に収める意識で。7分半以上は明らかにオーバーとみなされる。

Q4|原稿を丸暗記すべきですか

暗記より、キーポイントを覚える形式が推奨。原稿を読み上げるだけの発表は聴衆に退屈な印象を与える。要点を頭に入れて、自分の言葉で話す方が伝わる。

Q5|7分発表は何回練習すべきですか

最低5回、理想は10回。時間を計測しながら通し練習する。指導教員や研究室の同期に聞いてもらう機会を1〜2回設ける。

Q6|途中で早口になってしまいます

時間配分の練習が不足している証拠。1分ごとに「今何スライド目にいるべきか」を意識して練習する。各スライドの目標時間を原稿の端にメモしておくのも有効。

Q7|質疑応答は何分想定ですか

大学による。7分発表なら質疑応答3〜5分が一般的。想定質問と回答を事前準備し、バックスライド10〜15枚を用意しておくと安心である。

まとめ|7分という制約を武器に

本記事では、卒論発表7分について、10スライド完全構成テンプレ、各スライドの詳細役割、話し方の数値目安、発表原稿テンプレート、時間オーバー・時間余りの対処法、練習5ステップ、3大失敗パターン、質疑応答対策、分野別のコツ、7分の壁を突破する3視点、FAQまでを体系的に整理してきた。

7分発表は「短すぎず長すぎず」のバランスが取れた発表時間だが、その分、時間配分の設計が難しい。1分300字、1スライド42秒、10スライド構成といった数値目安を頭に入れ、練習を10回積むことで、時間内に伝わる発表が実現できる。時間が短いことを「制約」と考えるのではなく、「要点を絞る集中の機会」と捉えると、7分発表は卒論の本質を伝える最適な形式となる。数値と練習が、質の高い7分発表を作る二本柱である。

本記事のポイントを整理すると、以下の3点に集約される。第一に、7分発表は10スライド・原稿2,100字・1スライド42秒の数値目安を守れば時間内に収まる設計ができる。第二に、序論2分・準備2分・本論3分・結論30秒のバランスを意識して時間配分し、本論を最も厚くする。第三に、練習は最低5回・理想10回、時間計測しながら実施し、7分±10秒に収まるまで微調整する。この3点を守れば、初めての7分発表でも自信を持って本番に臨める。

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最後に、7分発表の経験は卒業後も役立つ「短時間プレゼンテーション」の基礎スキルとなる点を強調したい。就職後の会議、面接、営業プレゼン、社内発表——多くの場面で「短時間で要点を伝える」能力が求められる。7分という制約の中で研究成果を伝える訓練は、そのままキャリアの中で活かせる汎用スキルとなる。卒論発表を単なる「卒業要件」として消化するのではなく、「一生使える短時間プレゼンの型を身につける機会」として捉え直すと、練習の姿勢も変わる。7分発表の完成度は、あなたの生涯のプレゼンスキルの土台となる。この機会に丁寧に取り組むことが、長期的な財産となる。

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